国際交流 見聞録

— 留学 —

アメリカ

ジョージ・メイソン大学アントニン・スカリア・ロースクール

期間
令和7年8月3日 ~ 令和7年8月24日
  • 留学
  • 法学部派遣交換留学
公共政策学科
川上 柚季 さん

広い視野で物事を捉えられるようになったロースクール体験

令和7年度法学部ジョージ・メイソン大学アントニン・スカリア・ロースクール派遣交換留学に参加しました。
将来,法律に基づいて活動する職業に就きたいと考えている私にとって,今回のロースクールでの法律の学びは,貴重な経験となりました。

留学前のこと

留学前の準備について,また,困ったことがありましたか?あれば具体的に教えてください。

留学前に困ったことはいくつかあります。まず、荷物をできるだけ少なくしたかったので,何を持っていくべきで,何は必要ないのかを判断するのにとても悩みました。また,英語の教材を事前に読み解くのにとても時間がかかり,準備に苦労したことも印象に残っています。さらに,現地で自分のコンディションを整えて生活していくためには,食事や環境,生活習慣についてどんな工夫が必要かを下調べすることも大変でした。

こうした準備の過程は苦労も多かったですが,実際に現地で過ごす際に役立つ経験になったと思います。

留学中のこと

留学中,特に印象に残ったことを教えてください。

留学中に特に印象に残ったのは,拙い英語でも何かを発言すれば,先生も学生もまず「よく言ったね」と褒めてくれたことです。基礎的な内容でもきちんと向き合って話をしてくれる姿勢に,とても励まされました。英語が上手でなくても,受け入れてくれる環境があったことは,私にとって大きな自信につながりました。

一方で,苦労したことは,自分の意見を積極的に言うことに慣れておらず,考え込んで黙ってしまうことです。そのとき,先生方が少し不思議そうな顔をされるのが苦しく感じました。また,自分の英語力が足りず,伝えたいニュアンスをうまく表現できなくて,慌ててしまうことも多くありました。

こうした経験を通して,言葉にして伝える姿勢の大切さを強く感じました。今後はもっと積極的に,自分の考えを表現していきたいと思います。

留学中に困ったことがありましたか?あれば具体的に教えてください。

留学中に困ったこともいくつかあります。まず一番大変だったのは,到着してすぐに時差ボケを直すことでした。慣れない環境に加え,睡眠のリズムが崩れて体調もすぐれず,最初の授業では,集中力を保つのが難しかったです。そのため,授業についていくのにとても苦労しました。

また,自分の認識が甘かった点として,外貨を事前に十分に準備していなかったことがあります。必要な分をきちんと計算できておらず,現地で追加の両替をしなければならなくなりました。慣れない国で金融機関を探し,手続きすること自体が大変で,事前の計画性の大切さを痛感しました。

さらに,人間関係の面でも苦労がありました。特に友人を作るときは,自分から積極的に動いて,英語で話しかけなければなりませんでした。最初は勇気が出ず,どう切り出せばいいか悩んでばかりでしたが,一歩踏み出して話しかけると,相手も温かく受け入れてくれることが多く,その経験を重ねていくことで徐々に慣れていきました。

留学先大学の対応はどうでしたか?

留学先の大学の対応は,とても丁寧で真摯なものでした。特に印象に残っているのは,最初のオリエンテーションです。留学生が安心して学び始められるように,大学生活や授業の受け方,必要な手続きなどを一つひとつ丁寧に説明してくださり,不安が大きかった私にとって,とても心強いものでした。そのサポートのおかげで,留学生活を始めるにあたっての大きな不安が和らいだのを覚えています。

また,授業を担当してくださった先生方の対応にも深く感謝しています。私が英語でうまく質問を表現できないときでも,焦らずに耳を傾けてくださり,理解できるようにわかりやすく答えてくれました。拙い英語でも真剣に受け止めてくださったことが,とても嬉しく,自信を持って授業に臨むきっかけになりました。

皆さんが常に誠実に対応してくださったことは,私にとって安心感と励みにつながりました。留学生活を支えてくれた大学のサポートには,本当に感謝しています。

留学先での生活について

住まいについて
滞在先 ホテル 部屋の種類 一人部屋
手配 日本大学法学部 食事の有無 朝食付き
費用について

(円/月)

用途 金額 用途 金額
現地での交際費、通学費、朝食を除く食費 90,000
合計 90,000 円/月

留学先での授業やサポート体制について

利用した特例措置やサポート体制
  • オリエンテーション

留学後のこと

今回の留学があなたにとってどのような成果をもたらしたか,教えてください。

普段学んでいる刑法も,日本国内だけでなく,異なる法体系と比較することで理解が深まり,より広い視野を持って捉えられるようになったのは大きな成果だと思います。

また,日本とは全く価値観の異なる社会の中で生活すること自体が貴重な経験でした。
授業では,自分の意見を積極的に発言することが求められ,拙い英語でも発言すれば必ず受け止めてもらえるという文化に触れました。
最初はうまく表現できず苦労しましたが,その中で「まず言葉にすること」が大切だと学びました。さらに,授業や生活を通じて,先生方や学生が真剣に向き合ってくれる姿勢に励まされ,自信を持って発言できるようになったことも成果のひとつです。

生活面でも,時差ボケや体調不良,外貨の準備不足といった困難を経験しましたが,その都度自分で解決策を探し,積極的に行動する力を養うことができました。また,友人をつくるために自分から英語で話しかけなければならず,その勇気を出せた経験は大きな成長につながったと思います。

こうした経験を通じて,語学力の向上だけでなく,異なる価値観を受け入れる柔軟さや,自ら行動して道を切り開く姿勢を学ぶことができました。
これらは,将来警察庁に入庁し,法のもとで働き,国際的な視点を持って警察制度をより良くしていくうえで,必ず活かせる成果だと考えています。

今後の進路について,どのように考えていますか?具体的に教えてください。

私は将来,警察庁への入庁を希望しています。
今後,大学で刑法を中心に学び,法に則って働く警察官としての感覚を育てるのと同時に,法律に基づいて活動する職業に就きたいと考えているからこそ,その法的知識をより深めていく必要があると考えています。

また,警察庁入庁後は,今回の留学経験を生かして,積極的に日本とアメリカの警察制度の違いや特徴を比較し,それぞれのメリットを学びながら,日本の警察制度をさらに発展させていきたいと思っています。国民の皆さんより一層信頼される組織づくりに貢献することが,私の大きな目標です。

さらに,警察庁には,海外の法執行機関での研修制度があり,その一つとしてアメリカのFBIアカデミーでの研修に派遣される制度があります。私自身も,将来的にはその研修に参加し,国際的な視点から警察実務や捜査手法を学び,知見を深めたいと考えています。そして,そこで得た経験を日本に還元し,より良い警察行政に役立てていきたいです。

これから留学する後輩へのアドバイスを教えてください。事前に準備しておくとよいこと等。

まず,事前準備の大切さを伝えたいです。特に荷物について,しっかり判断し,できるだけ身軽にしておくことをおすすめします。
現地でも大抵のものは手に入るので,必要以上に持っていかない方が快適に生活できると思いました。
また,現地での生活に備えて,自分の体調管理や食事,生活習慣についてある程度下調べをしておくと安心と考えます。
外貨についても,必要な額を事前にきちんと準備しておくと,現地で慌てずに済みます。

語学の面では,事前に英語の教材を読む練習をしておくことが大切です。
最初は時間がかかって大変ですが,授業を理解するうえで必ず役立ちます。
そして,現地では拙い英語でも構わないので,自分から積極的に発言することを心がけてください。
私も最初は勇気が出ませんでしたが,先生方も学生もきちんと向き合ってくれますし,まず発言してみることが大切です。

人間関係についても同じで,友人を作るためには自分から動いて話しかける必要があります。一歩踏み出すと,必ず受け入れてくれる人がいます。その経験は,大きな自信につながるので,恐れずに挑戦してみてください。

留学中は,時差ボケや授業への適応など苦労もありますが,それを一つずつ乗り越えることで,自分の行動力や柔軟性が育ちます。困難も含めてすべてが学びにつながるので,前向きな気持ちで臨むことが一番のアドバイスです。