アメリカ

ジョージ・メイソン大学アントニン・スカリア・ロースクール
- 期間
- 令和7年8月3日 ~ 令和7年8月24日
- 留学
- 法学部派遣交換留学
- 大学院法学研究科
- 松木 敦彦 さん
現地学生と英語でのディスカッションから学ぶ
令和7年度法学部「ジョージ・メイソン大学アントニン・スカリア・ロースクール」派遣交換留学に参加しました。
バージニア州のアーリントン市(ワシントンD.C.に隣接)にあるジョージ・メイソン大学アントニン・スカリア・ロースクールの集中的サマープログラムで,すでにアメリカのロースクールの法学修士(Master of Law 【LL.M.】)課程への入学を認められた学生と同じ講義を受け,実りのある留学でした。
留学中のこと
- 現地ロースクールの授業等,勉強の進め方について
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講義の該当箇所を,日本大学法学部より貸与された教科書を用いて,予習を進めていきました。その際,田中英夫先生の『英米法辞典』が大変役に立ちました。また,例として,教科書に記載されている法律用語の定義を自分なりの言葉にしてみて,それを何回か口ずさんで,いつでも言える状態にしておくと,先生が教授している内容も理解できるようになり,議論にも参加しやすいと思います(そのように実践していました)。
予習を十分行えば,内容の理解自体も全く問題なかったですし,授業中に行われる議論も英語でできました。現地ロースクールの授業は,大学院の授業に似ていて,基本的には,予習をしてくることが前提になっていまので,先生方が学生に様々な質問をして,該当箇所の理解を学生自身が深めていくというスタイルです。アメリカ以外の他国から来られている学生も多くいましたが,皆さん積極的に発言するというところが,日本と違う点かと思いました。やはり,Globalの環境においては,会社でもそうですが,自身の考えを積極的に伝えることの重要性を改めて痛感いたしました。先生方も英語を母国語としない学生への対応にも慣れていますし,こちらも,あまり細かいことは気にせず,思ったこと,考えたことを積極的に発言するという姿勢が求められると思います。
講義に関しては,滞在中に受講したContracts、Criminal Lawなども面白かったです。また,アメリカの医療用医薬品の広告の考え方についてJohn M. Yun先生と1対1で意見交換できたのも貴重な経験で,今後の研究を進めていく上で示唆になることも多かったです。それに加えて,帰国してから,坂本力也先生と Brian James Benison 先生の特別な計らいで,オンラインで受講することができたGovernment Contractsが興味深かったです。Government Contractsでは,購買や契約等の手続きをいかに適切に進めていくのかといった点がポイントになるのですが,この点が私の現在の仕事に密接に関係しており,参考になりました。
- 留学先大学の対応はどうでしたか?
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日本人留学生に対するサポートは手厚かったと思います。
- 見学で訪れた場所についての印象等を教えてください。
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ワシントンD.C.が印象に残っています。ホワイトハウスや国会議事堂,最高裁判所,国立公文書館が法学学習という観点から印象に残っており,特に国立公文書館で展示されていたオリジナルの独立宣言や憲法,権利章典が印象深いです。過去の学習でこれらには触れていたわけですが,オリジナルを見ることは,アメリカ法をより身近に感じることができる貴重な機会でした。また,最高裁判所も,見学して本当に良かったと思いました。というのも,前期に坂本力也先生の講義で,アメリカの裁判所制度について学んでおりましたので,講義の際に,「先生がご説明されていたのはこのことだったのか!」という瞬間が何度もあり,その後,英米法を学ぶことが,今まで以上に楽しくなりました。
留学先での生活について
住まいについて
| 滞在先 | ホテル | 部屋の種類 | 一人部屋 |
|---|---|---|---|
| 手配 | 日本大学法学部 | 食事の有無 | 朝食付き |
| 設備等 | 机,椅子,ソファ,キングサイズベッド,冷蔵庫,洗面台,ドライヤー,ハンガー,コップ,ケトル,トイレ,シャワー,クローゼット | ||
費用について
(円/月)
| 用途 | 金額 | 用途 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 住居費 | 503,000 | 食費 | 40,000 |
| 通学費 | 19,000 | 交際費 | 30,000 |
| 合計 | 592,000 円/月 | ||
留学先での授業やサポート体制について
利用した特例措置やサポート体制
- 本講義前の現地のプログラム担当者からのオリエンテーションや授業内容のレクチャー
留学後のこと
- 今後の進路について,どのように考えていますか?具体的に教えてください。
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すでに働いておりますが,さらに,海外の方と対等に,ディスカッションできるような仕事を継続していきたいと思っています。
- 今回の留学があなたにとってどのような成果をもたらしたか,教えてください。
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①テキストの内容を,自分の言葉に置き換えて,英語で説明できるようになったこと。
②①にも関係しますが,授業で,積極的に英語で発言できるようになったこと。
③今後の研究テーマのヒントが得られたこと。
- これから留学する後輩へのアドバイスを教えてください。事前に準備しておくとよいこと等。
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どの程度の留学に期待するかにもよりますが,授業内容を理解したうえで,現地の学生と同様に,授業で取り上げられるテーマについてディスカッションしたいということであれば,テキストをしっかり予習しておくこと,また,自分なりの言葉で言い換える練習をしておいた方がよいと思います。また,基本的な英会話ができるよう,日本で語学スクールに通ったり,オンライン英会話をするなど,少なくとも1年くらいの準備期間の必要があると思いました。