• 2024.07
  • 『James Mill, John Stuart Mill, and the History of Economic Thought』
  • 『空爆論 : メディアと戦争』
  • 『雇用差別と闘うアメリカの女性たち』
  • 『国際法以後』
  • 『ルソーの戦争/平和論:『戦争法の諸原理』と『永久平和論抜粋・批判』
  • 2024.04
  • 『差別する人の研究 : 変容する部落差別と現代のレイシズム』
  • 『触法精神障害者 : 医療観察法をめぐって』
  • 『ジェンダーで学ぶメディア論 = Media studies from gender perspective』
  • 『文系のための統計学入門 : データサイエンスの基礎』
  • 『哲学な日々 : 考えさせない時代に抗して』
  • 2024.01
  • 『政治はケンカだ! : 明石市長の12年』
  • 『一般条項の理論・実務・判例』
  • 『損害概念論序説』
  • 『主婦である私がマルクスの「資本論」を読んだら : 15冊から読み解く家事労働と資本主義の過去・現在・未来』
  • 『国会を考える』
  • 2023.10
  • 『SNS別最新著作権入門 : 「これって違法!?」の心配が消えるITリテラシーを高める基礎知識』
  • 『「戦前」の正体 : 愛国と神話の日本近現代史』
  • 『選挙制を疑う』
  • 『近代日本の競馬 : 大衆娯楽への道』
  • 2023.07
  • 『イギリス思想家書簡集 : アダム・スミス』
  • 『日本国憲法の条件』
  • 『道徳感情論 : 人間がまず隣人の,次に自分自身の行為や特徴を,自然に判断する際の原動力を分析するための論考』
  • 『ニュルンベルク裁判 : ナチ・ドイツはどのように裁かれたのか』
  • 『モノたちの宇宙 : 思弁的実在論とは何か』
  • 2023.04
  • 『目の見えない人は世界をどう見ているのか』
  • 『死刑制度と刑罰理論 : 死刑はなぜ問題なのか』
  • 『新フェミニズム批評 : 女性・文学・理論』
  • 『法窓夜話』
  • 2023.02
  • 『地理的表示保護制度の生成と展開』
  • 『弱者に仕掛けた戦争 : アメリカ優生学運動の歴史』
  • 『事例でおさえる民法改正債権法』
  • 2022.12
  • 『デリバティブ・金融工学 / 金融と法 Ⅱ』
  • 『デジタルで変わる子どもたち : 学習・言語能力の現在と未来』
  • 『政策リサーチ入門 : 仮説検証による問題解決の技法』
  • 『アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か? : これからの経済と女性の話』
  • 2022.10
  • 『ホッブズリヴァイアサン』
  • 『アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した : 潜入・最低賃金労働の現場』
  • 『模倣の法則』
  • 2022.07
  • 『アース・デモクラシー : 地球と生命の多様性に根ざした民主主義』
  • 『パブリッシング・スタディーズ』
  • 『それでも選挙に行く理由』
  • 『国際機構論講義』

TOP推薦図書紹介

推薦図書紹介

2021 Vol.3

樋口範雄著『アメリカ人が驚く日本法 』商事法務 2021年

 海外から日本を見ることで新たな発見があります。外国制度と日本法制度とを比較することは,法文化の違いの典型例を知ることができる格好の素材です。
資本主義社会の基本は個人の自由な契約・自由な取引であり,これを基本的な価値とするアメリカは契約社会です。それでは,日本も同じ資本主義社会ですから,アメリカと同じ意味で契約社会といえるのでしょうか。
 日本の永代供養契約のように,永遠に続く契約は認められるのか?保険契約を結んだ後に被保険者が自殺した場合,保険金は支払われるだろうか?客が望んでふぐの肝を食べたが中毒死してしまった場合,提供した人に責任はあるだろうか?美容室で髪を短く切られすぎた場合,不法行為で訴えることができるだろうか?これらのトピックスを取り上げ,日本法の考え方がアメリカ人から見るとどのような点が驚きをもって捉えられるのか,日本法とアメリカ法の法律観の違いを分析するのが本書です。
コロナ禍で海外に出ることが難しい現在,日本法と外国法という文化の違いを身近に感じるためにも,ぜひ手に取って欲しい1冊です。
(大久保 拓也教授/法図1F新着図書コーナー 324.52||H 56)

前田健, 金子敏哉, 青木大也編 ; 麻生典 [ほか] 著『図録知的財産法 』弘文堂 2021年

知的財産法は,産業の発達と文化の発展に資するべく発展してきた民法の特別法であり,私たちが日常的に目にし,手に触れる物品やサービスには常に,それらの特別法でルールが策定されている何らかの知的財産がかかわっています。本書は,その知的財産に関して「中学・高校の社会科の授業で使っていたような『資料集』を作ろう」という,ユニークな発想のもとに編まれています。その大きな特徴は,本文110頁余りに収録されている図表図版の,比類ない豊富さです。模倣品を取り締まる「水際措置」であれば,関税法中の知的財産侵害物品に関する罰則規定,各税関で展示されているコピー商品の写真,財務省が公表する税関における知財侵害品の輸入差止実績の推移の表が示されます。「著作権の制限」であれば,日本の著作権法中の制限にかかわる膨大な条文の一覧,公衆の使用に供することを目的にコンビニ等に設置されている自動複製機器や,コピーコントロールが施されているCDとそこに示されている注意書き,私的録音補償金の対象となっている音楽用CD-RやMD,街並みの写真に写りこんだ巨大ディスプレイに表示されている著作物をとらえた写真。どのような場面で私たちが知的財産制度に接しているのかを徹底して取り上げており,制度の「社会実装」にかかわる理解が得られます。同時に,それらの掲載にあたり各方面に許諾を得る膨大な作業には,頭を垂れる他ありません。もう一つの特徴は,学説や判例をコンパクトに解説する一方,分野横断的なアプローチを柔軟に取り入れていることです。総論,著作権法,特許法,デザインの保護,標識の保護,不正競争防止法・パブリシティ権の6部に分けられた2~3頁から成る32項目には,映画・ゲーム,出版・漫画,さらにインターネットと,著作権法とのかかわり,特許を使ったイノベーション戦略,デザインの法的保護のように,複合的なアプローチを要するテーマが配置されています。初学者にも,知的財産制度を一定学んだ者にも,発見があるだろう書籍です。
(加藤暁子准教授/3F西開架 507.2||Ma 26)

ブリュノ・ラトゥール 著 ; 伊藤嘉高訳『社会的なものを組み直す : アクターネットワーク理論入門』法政大学出版局 2019年

私達は自然(nature)と人間を区別しています。自然には微に入り細に入り観察・実験し客観的認識にまで仕立て上げます。人間には,自然支配を目指すこの認識だけではなく,特別な取り扱いを行います。チンパンジーが私達人間から排除されるのは生まれ(自然)によってですが,人間の間では何よりも人種・性別など生まれによる差別は禁止されます。人間も自然の一部ですが,自らを社会的生に負う限りにおいて文化(culture)を有します。伝統(文化)はその社会の内外で意味を異にしますが,物理(自然)法則はそうではありません(林檎の落下は誰にとっても同様)。人間であれば生物学的に(自然において)同一ですが,帰属する社会に応じて文化は異なります(文化の多様性は文化相対主義を帰結するとも限りませんが…)。自然と文化(社会)の二元論は,近代を,学知の近代的配分(自然科学と社会科学)を規定しています。
フランスの科学社会学者・人類学者のブリュノ・ラトゥールは,近代二元論への批判に基づいた新しい社会学を構想しています。ラトゥールの提示する社会は,人間を要素とする集合的実体ではもはやなく,任意の要素の結合的関係です。自然,文化,社会などの諸概念は決して自明なものではありません。
(吉澤 保准教授/法図5F東開架 361||L 35)

井手英策 [ほか] 著『大人のための社会科 : 未来を語るために』有斐閣 2017年

本書が各章で取り上げているテーマは,GDP,勤労,多数決,公正,ニーズなど,大学生であればおおよその意味は想像できるようなものばかりであると思います。しかし,読み進めるとそれぞれのキーワードはそう簡単な概念ではないことがわかってくるはずです。それらは,社会という枠組みの中でどのような人々が関わっているか,彼らの置かれている立場,彼らの考え方や価値観,そして彼らを取り巻く時代の流れなどによって,その意味や捉えられ方はさまざまに変化しうることがわかるでしょう。著者たちが提示しているのは,固定した一つの概念の説明というよりも解釈の一例であって,「では,皆さんならどう考えますか?」という問いかけ,つまり,「議論のタネ」が撒かれているのです。読者としての学生の皆さんは,ぜひこの議論のタネを自分たちの議論のネタとして利用し,育ててみてください。本書から他者の考えを学び,身近な人たちと語り合う機会につなげることは,自分自身の思考を深めるきっかけとなるはずです。
(生垣琴絵 専任講師/法図4F東開架 301||I 19)

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