• 2012.02
  • Media Debates: Great Issues for the Digital Age
  • The Criminal Responsibility of Senior Political and Military Leaders as Principals to International Crimes
  • 『ソーシャル・キャピタル入門―孤立から絆へ』
  • 『これからの「正義」の話をしようーいまを生き延びるための哲学』
  • 2011.10
  • The Changing Constitution
  • 『史学概論』
  • 『大学とは何か』
  • 2011.08
  • Debates on democratization
  • 『現代商取引法』
  • 『遺言と遺留分 第1巻 遺言 第2版』
  • 『人間・社会・法』
  • 2011.04
  • Europäisierung des Rechts, Herausgegeben von Herbert Roth
  • 『近代日本司法制度史』
  • 『要説:日本の財政・税制』
  • 『数学は言葉』
  • 2011.02
  • 『The Failure of Civil Society? The Third Sector and The State in Contemporary Japan』
  • 『マックス・ウェーバーの社会学 「経済と社会」から読み解く』
  • 『メディアと日本人』

TOP推薦図書紹介

推薦図書紹介

図書委員からの推薦図書 2011 Vol.2

Herbert Roth著 『Europäisierung des Rechts, Herausgegeben von Herbert Roth』 Mohr Siebeck, 2010

書は,ドイツ・レーゲンスブルク大学法学部において,2009/2010年度の冬学期に行われたオムニバス講義の内容を一冊にまとめたものである。本書には,オムニバス講義の統一テーマである“法のヨーロッパ化”との関連において,憲法,租税法,刑法,民法,刑事訴訟法及び民事訴訟法などの領域における17の論文が掲載されている。中でも,ライナー・アーノルド「連邦憲法裁判所とヨーロッパ裁判所:協調あるいは衝突?」,ペーター・ゴットヴァルト「ヨーロッパ倒産法-今日においてもなお未熟な法領域」,ディーター・ヘンリッヒ「国際家族・相続法におけるヨーロッパ化達成への努力」,ヘルベルト・ロート「内国国際民事訴訟法の存在意義の喪失について」,アンドレアス・シュピックホーフ「ヨーロッパ化された国際債権法と私法のヨーロッパ化」などの論文が興味深い。現在,ヨーロッパでは,EU加盟国の中で法の統一化の作業が進められており,法の統一化ないし法のヨーロッパ化という問題は,重要なテーマの一つとされている。本書はドイツ語で書かれているため,学部の学生には難しいと思われるが,大学院の学生には是非とも一読をお勧めする。
(小田司教授/6F東開架)

新井勉・蕪山厳・小柳春一郎著 『近代日本司法制度史』 信山社出版

書は,明治初年から現在に至るまでの日本の司法制度の形成過程を体系的に著述したものである。現行実定法が定める司法制度,すなわち第四編「昭和憲法下の司法制度」(新井勉教授担当執筆)は,現在の司法制度を考察することにほかならないが,この平成・昭和時代の司法制度はその大綱において大正時代からの連続であり発展である。さらに大正時代の司法制度はその大綱において明治時代からの連続であり発展である。したがって歴史的形成に関する認識はきわめて重要であり不可欠なものである。言うならば現在の司法制度のあり方は,近代日本の司法制度の形成過程との関連で理解されることとなる。しかもその著者は,本学の新井勉教授そして独協大学の小柳春一郎教授の法制史研究者と,元裁判官の蕪山厳弁護士の裁判実務経験者との共著であり,研究者と実務経験者の共同作業によって,学問的高水準は維持されて,「一冊の書物で近代日本の司法制度の展開を辿るものであり,『裁判所百年史』などの出版物を除けば,これまで試みられたことがない」(本書はしがき)とする,きわめて意欲的な労作である。また本書は,二色ずり,難字・氏名等にはルビが振られ,巻末には年表を添付するという,きわめて読みやすく,理解しやすい形式をとっていて,学生諸君にとっては恰好の書であるので,ここに推薦図書としたい。 
(小林忠正教授/4F西開架)

井堀利宏著  『要説:日本の財政・税制』 税務経理協会

21世紀に入った現在でも,日本経済は低迷しており,国民の多くは閉塞感の中にある。しかし,日本経済はストックレベルでは,世界の中でも有数の経済水準を誇っているし,平均的な国民の生活レベルでも先進諸国のなかで豊かなものである。本書は,財政学の入門書である。しかし,我が国の現状を踏まえながら政策的に議論しており,財政問題の優れた啓蒙書にもなっている。本書は次の3点を中心に議論している。第3は,「大きな政府」と「小さな政府」という基本的な対立軸を中心に,財政学の考え方を整理している。そして筆者は,痛みなき財政再建路線は危険であるという。第2は,1997年から財政構造改革がスタートしながら,結局は景気最優先のケインズ政策へと軸足が変化し,財政構造改革が中途半端に終わってしまったという。第3は,本書のタイトルからもわかるように,我が国の税制についてかなり詳しく論じている。我が国の中心的な税目である所得税,法人税,消費税について,それぞれⅠ章ずつ割り当てて,その概要を説明するとともに,その経済的な効果や,改革に関する諸問題を包括的に取り上げている。さらに本書では,従来,多くの財政学の書物では論じられていない目的税について議論している。最終章では,少子高齢化のもとでの財政・税制について,幅広い視点から議論している。 
(高木勝一教授/5F東開架)

新井紀子著 『数学は言葉』 東京図書

著者は,この本で数学を言葉としてとらえ,数学者や科学者だけが使うものではなく,あらゆる分野の共通語として使われているとし,『法学と数学とでは語彙が異なるので,見かけはずいぶんちがいますが,その枠組みはたいへん似ています。』と述べています。さらに『そんなことが何の役に立つのだろう?』という疑問に対して,『高校から大学までの間に飛び越えるべき深い溝があるとしたら,それはまちがいなく,数学語の溝であり,論理の谷なのです。それは,「説明しなくてもわかりあえる」池の中から,「説明しなければわからない」大海へと,みなさんがこぎ出す瞬間なのかもしれませんね。』とあります。本当かウソか,本に目を通されて,考えてみる価値はあると思います。数学の本を読んで解らなかったら,自分の頭の出来を疑う前に,数学語のチェックをすべきでしょう。本の最後に8つのチェック項目があって,『もし,上に書かれている項目すべてをクリアできたなら,私の役目は終わりです。あなたはもう大丈夫。この先,解析学の本も代数学の本もきっと自力で読み解くことができるはず。』とあります。自分の若かった頃こんな本があったらなあ,とつぶやいてしまった本です。 
(高橋 徹教授/3F西開架)

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