• 2011.10
  • The Changing Constitution
  • 『史学概論』
  • 『大学とは何か』
  • 2011.08
  • Debates on democratization
  • 『現代商取引法』
  • 『遺言と遺留分 第1巻 遺言 第2版』
  • 『人間・社会・法』
  • 2011.04
  • Europäisierung des Rechts, Herausgegeben von Herbert Roth
  • 『近代日本司法制度史』
  • 『要説:日本の財政・税制』
  • 『数学は言葉』
  • 2011.02
  • 『The Failure of Civil Society? The Third Sector and The State in Contemporary Japan』
  • 『マックス・ウェーバーの社会学 「経済と社会」から読み解く』
  • 『メディアと日本人』

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推薦図書紹介

図書委員からの推薦図書 2014 Vol.3

Phillipson Nicholas著 『Adam Smith: An Enlightened Life』Penguin Books 2011年

著者フィリップソンは,アダム・スミス(1723-1790)の母国スコットランドのエディンバラ大学で長らく教鞭をとり,現在はエディンバラ大学の名誉研究員となっている。フィリップソンは,経済学の祖,そして『諸国民の富』(1776)の作者として知られるスミスの生涯を,スミスのもう一つの横顔,道徳哲学教授としての業績を振り返ることで,再構成する。スミスは,「神の見えざる手」によって,個々人が自分の利益を追究しながらも,結果的には社会全体の利益も実現されると説いている。しかしながらそこで行われる自由競争は無制約ではない。『諸国民の富』に先立って執筆された『道徳感情論』(1759)においてスミスは「同感」(共感)の理論を展開していた。自己の行為が,第3者からの同感を得られるかを問い続けたのがスミスである。フィリップソンは,今まで別々に論じられることが多かったスミスの経済学者と道徳哲学者の姿を総合することに成功している。
本書の邦訳『アダム・スミスとその時代』がこの度出版されている。また,スミスの『道徳感情論』と『諸国民の富』の各初版復刻版が図書館に所蔵されている。併せて読んで欲しい。
[川又祐教授/所蔵予定]

ジョン・ガートナー著 土方奈美訳 『世界の技術を支配するベル研究所の興亡』 文藝春秋2013年

米国の電話会社AT&T傘下の研究所Bell Telephone Labが豊富な資金をもとに,いかに多くの技術の金の卵を生んできたか。研究所の黄金期を支え,指導してきたリーダーはマービン・ケリー,ジム・フィスク,ウイリアム・ベーカーであった。そこで,どのような研究がなされてきたか。ジョン・バーディーンとウォルター・ブラッテン,ウィリアム・ショックレーによるトランジスタの発明(1947)。クロード・シャノンは誤り訂正符号(本来のメッセージに余分な情報(符号)を追加することで,「いかんともしがたい」と考えられていた伝送中のメッセージの質の劣化を,「いかようにもコントロールできる」ものに変えてしまった)(1948)。天才シャノンと名伯楽マービンの中間的存在がジョン・ピアース,彼による通信衛星の打ち上げ(1961)等です。ピクチャーフォン(1964)という製品は出来ても売れなかった失敗例もある。冷戦終結後,国務省に支持されてきた独占の言いわけを失い,やがて,司法省と争って,独占企業は解体(1984),身売りを余儀なくされ,研究データのねつ造者を出すまでに,落ちぶれてしまいます。司法省のしたことはアメリカの国益にかなったことだったでしょうか。 [高橋徹教授/3F西開架]

Peter Kindler著 『Gesetzliche Zinsansprüche im Zivil- und Handelsrecht』J.C.B.Mohr1996年

本書は,民法及び商法における法定の利息請求権を取り扱うものであり,2002年の新ドイツ債務法における法定利息や遅延利息に関し大きな影響を与えたものであることは明らかである。金銭債権に関し,弁済が到達したときから払わなければならない弁済期利息(Fälligkeitzins)や遅延利息(Verzugszins),さらには,訴訟係属の時から払わなければならない訴訟利息(Prozeßzinsen)の問題を取り扱う。この法領域の全体像をみると,利息支払い義務の開始時点やその額高等の確定に関しあまり説得力ある形で区別されているとはいえない。特に,遅滞に陥らせるための要件の証明や利息損害を主張することは厳格なものとなっており,法政策上も経済学上も望ましくない支払遅滞が日常的に生じることになっている。この点に関し歴史的,比較法的に検討することにより,あるべき利息法のモデルを提言する。特に,フランス,スペイン,オーストリア,国連動産売買法,ユニドロワ原則,ヨーロッパ契約法等を検討する。我が国の利息法を考えるにあたって必読の文献といえよう。 [益井公司教授/所蔵予定]

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