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TOP推薦図書紹介 推薦図書紹介図書委員からの推薦図書 2016 Vol.5Thomas J. Schoenbaum 『The law and legal system of the United States』 West Academic Publishing 2016年ショエンバウム教授(米国ワシントン大学教授,ジョ-ジワシントン大学ロ-スク-ル研究所教授)は,国際取引法分野の世界的な権威であり,第一人者と目されている。今般,米国の法制度全般について,包括的な書籍を出版された。内容も最新のものであり,大変充実している。連邦政府のあり方,連邦法全般,契約法・会社法・ビジネス法,更には知的財産権などに亘り,詳細な内容の体系書である。 砂原庸介・稗田健志•多湖淳著 『政治学の第一歩』 有斐閣 2015年「政治学は,財,権利,名声,安全といった価値あるものの権威的配分を分析対象とする学問である」と定義し,「政治現象の構成要素として独立した個人を一般的に想定し,そこで想定される個人はそれぞれが望む利益を最大化するために行動する」という合理的個人と,個人は他の個人や集団とお互いに影響し合っていることを踏まえ,「ゲーム理論」に基づいた,「戦略的相互作用」の結果(均衡解)を政治現象と捉え,政治制度改革を導くという,政治学の教科書ということが特徴である。 フレート・ブライスナースドルファー編 石田勇治・田中美由紀訳 『「白バラ」尋問調書 : 『白バラの祈り』資料集』 未来社 2007年2005年に『白バラの祈り−−−ゾフィー・ショルの最後の日々』という映画が公開された。第二次世界大戦の最中、ヒトラーに対して反旗を翻したドイツ人たちの実話を丹念に調査し、マルク・ローテムントが監督した映画である。「白バラ」運動と呼ばれたその運動に参加した当時21歳のゾフィー・ショルは1943年2月、兄のハンスとともにナチスによって処刑された。生きていれば今年95歳になったはずである。彼らの運動は、当時ドイツ国内外で知られることになり、ドイツ人たちによるナチス抵抗運動として多くの人々の希望となった。 坂井豊貴著 『多数決を疑う : 社会的選択理論とは何か』 岩波新書 2015年多数決は民主制における決定方式として本当に正しいのか?これが本書の提起する問いだ。民主制での意思の決定方式として多数決ルールが採用されるのは,憲法の規定などからも当然と思われるかもしれない。しかし,多数決が「最善」のルールというわけではない。本書でも紹介されるように,多数決は「票の割れ」に弱いなど,いくつもの弱点を抱えている。
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