• 2016.01
  • 『 England`s Treasure by Forraign Trade 』
  • 『 Prozessrecht und materielles Recht 』
  • 『聞き書緒方貞子回顧録』
  • 『はじめてのEU法』
  • 2015.12
  • 『Das Mutterrecht : eine Untersuchung über die Gynaikokratie der altén Welt nach ihrer religiösen und rechtlichen Natur, Stuttgart』
  • 『Coalition Governments in Western Europe』
  • 『ハンナ・アーレント「戦争の世紀」を生きた政治学者』
  • 『平成26年改正会社法のポイントと実務』
  • 2015.10
  • 『RECHT GENAU:Liber amicorum für Jürgen Prölss zum 70.Geburtstag 』
  • 『 The General Theory of Employment  Interest and Money 』
  • 『憲法徒然草』
  • 『誠実という悪徳』
  • 2015.06
  • 『ネパールの女性グループによるマイクロファイナンスの活動実態:ソーシャル・キャピタルと社会開発』
  • 『民主政治はなぜ「大統領制化」するのか―現代民主主義国家の比較研究』
  • 『教養としての冤罪論』
  • 2015.04
  • 『福島原発,裁かれないでいいのか』
  • 『第一次世界大戦』
  • 『 Handbook of peace and conflict studies』
  • 2015.01
  • 『Die Zukunft des Zivilprozesses』
  • 『国際私法』
  • 『An Introduction to English Legal History』
  • 『Party System Change : Approaches and Interpretations』
  • 2014.12
  • 『ジェンダー学への道案内 四訂版』
  • 『法人税法の理論と実務』
  • 『The general theory of employment, interest and money』
  • 2014.10
  • 『Adam Smith: An Enlightened Life』
  • 『世界の技術を支配するベル研究所の興亡』
  • 『Gesetzliche Zinsansprüche im Zivil- und Handelsrecht』
  • 2014.07
  • 『Capital in the Twenty-First Century』
  • 『二院制議会の比較政治学:上院の役割を中心に』
  • 『環境と文明の世界史』
  • 『第2版 司法福祉入門: 非行・ 犯罪への対応と被害者支援』
  • 2014.04
  • 『永久平和論Ⅰ・Ⅱ』
  • 『“War by Contract: human rights, humanitarian law, and private contractors”』
  • 『“Journalism and Society”』

TOP推薦図書紹介

推薦図書紹介

図書委員からの推薦図書 2014 Vol.2

Thomas Piketty著 Arthur Goldhammer英訳 『Capital in the Twenty-First Century』 Harvard University Press 2014年

気鋭の経済学者による格差論。著者はパリ経済大学教授。2013年に仏語で出版され,ただちに英訳された。資本の収益率が経済成長率を上回り資本を持つものに富が集中していき,経済格差を拡げていく。資本を相続したものは生まれながら優位にある。Pikettyは,30人をこえる共同研究者とともに,経済格差と所得分配,富の分配と富と所得の関係,についての20か国,長期にわたるデータベースを構築し,そこから以下のような結論を得た。
歴史的にみて富の分配はいつも極めて政治的なもので,経済メカニズムだけ委ねることはできない。富の分配の歴史をみると,混乱と格差拡大の勢いを止めるメカニズムは経済社会にビルトインされていない。このほか,過去の格差の推移についても,深い洞察を展開している。結論として,筆者は保有する資本にたいしての累進課税を提言している。知的刺激を求める学徒にふさわしい一冊である。
[稲葉陽二教授/6F西開架]

岩崎美紀子 著 『二院制議会の比較政治学:上院の役割を中心に』 岩波書店 2013年

本書は,その題名が示すとおり,上院の役割にもスポットを当てて,カナダ,イタリア,スペイン,ドイツなど主要国の二院制議会の実態を比較・分析した良書である。わが国では,いわゆる「衆・参ねじれ」状態が解消されて久しい。しかし,二院制および上院(日本では参議院)のあり方や,再び「ねじれ」が生じた場合の政党間の制度的取り決めなど,根本的かつ具体的な問題は,やはり未解決のまま残ってしまったようだ。
 この点に関して著者は,その「あとがき」で次のように述べながら,われわれ読者をさらなる「思索の森」へといざなう。「海外諸国を分析対象としているものの,問題意識の源泉には日本がある。(中略)古代まで遡り,権力者の変遷を,国家意識の有無や権力の正当性の根拠に焦点を当てながら概観したが,ノブレスオブリージュのない貴族,さまざまな部門での世襲の浸透,臭いものに蓋・長いものに巻かれる政治文化,目先だけの対処療法・喉元過ぎれば忘却,目的の曖昧さと手段の目的化など,時代を超えて共通する傾向を捉えたような気がする。」「日本人と政治」についても,考えさせられるところの多い1冊と言えよう。
[渡辺容一郎教授/4F東開架]

石弘之,安田喜憲,湯浅赳男 著 『環境と文明の世界史』洋泉社 2001年

東日本大震災が社会に与えた影響は,様々な面で顕著であった。その余波をうけてか,「環境」をめぐる議論は,一時期ほどの活発さがみられなくなったことも事実であろう。そこで,あらためて環境をめぐる問題を考え直す意味でも,この本をとりあげてみたい。本書は,環境学・環境考古学・比較文明史といった分野の専門家が集まり,語らいあった対談集である。その狙いは,冒頭において明晰に語られる。環境論・環境問題を真っ先に取り上げたレイチェル=カーソンの『沈黙の春』から始まり,環境論の発達をもっとも阻害していた要因が,歴史学であったこと,それもマルクス主義歴史学であったことが語られ,鮮烈な印象を残す。その印象を失うことなく,三者の対談は,ネアンデルタール人の時代から,古代ローマ,そして中世ヨーロッパを経て現代にまで,まさに縦横無尽・快刀乱麻のごとく展開する。まさに環境を縦糸に,歴史を横糸に配しながらの知的興奮を伴った議論である。思えば,3・11後に問題となったエネルギーをめぐる議論も,やはり環境を抜きにしては語ることはできない。ビッグスポーツイベントを誘致せんがため原発問題は解決済みとし,国際社会へもみずからそれを語る人間がリーダーとなっている(してしまった)昨今の状況を省みるためにも,今一度本書を読んで考え直してみたくなった。
[黒滝真理子教授/3F西開架]

伊藤冨士江 編著 『第2版 司法福祉入門: 非行・ 犯罪への対応と被害者支援』 上智大学出版 2013年

近年,犯罪に対する社会の見かたは厳しくなっている。飲酒運転によって生じる交通犯罪,蔓延する薬物犯罪などについては,新たな犯罪が規定され,処罰される範囲は拡げら れてきた。しかし,薬物などの依存症者による犯罪に対し重い刑罰を科すことが再犯の防止につながっているのかは疑しい。また,犯罪に陥った人々に対する施策が充分なものでないことが指摘されている。本書は,司法が法の適用による規範的解決を図るものであり,福祉は個別の事態に即した問題の解決と支援を目指すものであるとして,両者の統合と実践が必要であると説く。そのうえで,従来から少年犯罪・非行に関しては,司法と福祉の両面からの取り組みが行われてきたが,今後は,いじめ・児童虐待・DV・高齢者犯罪などについても検討が必要であるとする。本書の特色は,制度の概要が簡潔にまとめられ,かつ具体的事案が紹介されていることである。また,研究者だけでなく実務家や当事者の多くのコラムがあることもユニークである。本書は,現在の,そして現実の犯罪の実態を示しつつ,そこで何が必要なのかを考えさせてくれるものである。
[岡西賢治准教授/4F西開架]

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