推薦図書

『刑の重さは何で決まるのか』

  • 著者名 : 高橋則夫著
  • 出版社 : 筑摩書房
  • 出版年 : 2024年
  • ライブラリ−・ニュース掲載号 : 2025 Vol.2
“刑法”と耳にしたときに,関心があると答える人は多いのではないでしょうか。特に,法学部に入ってきたばかりの新入生はそう答えるのではないかと思います。けれども,実際に刑法の授業に出てみると,思っていた内容と違うと感じる学生は多数ではないでしょうか。
刑法の議論は,細かくて難解であり,理解しづらいのはその通りだと思います。それは,刑罰の行使により,場合によっては人の生命すら奪うことも許される法律だから,致し方ない面があります。それに対し,本書は,刑法理論全般について,理解しやすいように易しく解説がなされており,入門書として最適の一冊となっています。
また,本書の特徴は,“量刑”にそれなりの量を割いているということです。刑法に関心がある人の多くは,刑罰とそれの重い・軽いだったからこそ,刑法の授業に“違う”と感じたのではないでしょうか。本書は,どのような思考によって刑罰の重さが決まっていくのか,分かりやすく解説しています。“刑法に関心のある”学生や,今後本格的に刑法の授業をとろうと考えている学生は,是非,本書を手に取って,刑法理論,刑罰,量刑というものを考えてみるのも良いのではないでしょうか。

(南由介教授/4F西開架 326||Ta 33.1c)       ※赤字をクリックでOPACにつながります