推薦図書

『国際法で読み解く外交問題』

  • 著者名 : 坂元茂樹著
  • 出版社 : 東信堂
  • 出版年 : 2024年
  • ライブラリ−・ニュース掲載号 : 2025 Vol.2
2025年現在,ロシアによるウクライナ侵攻,中東地域での紛争,トランプ政権による関税措置など世界各地で様々な紛争や外交的衝突が続いています。このように不安定化した国際情勢において,果たして国際法はいかなる役割を果たしているのでしょうか。
本書は,各地での国家間紛争,ビジネスと人権,海洋における紛争,領土問題など領域横断的に生じている様々な国際問題の各事例と,国際法との関わりを取り上げています。また日本を取り巻く課題にも鋭い視点を提供しており,一例として,領土問題について著者である坂元は,日米同盟の機能強化や,自衛隊の強化が必要だとし,冷静かつ毅然とした領海警備の必要性を指摘します。また,ロシアによるウクライナ侵攻を強く批判し,「戦争で人間の生命がいとも簡単に奪われていく事態こそ人権の重大な危機」だと表明します。
この本を通じて,国際紛争や,外交問題における国際法の役割を知り,その意義とあるべき姿についての理解を深めていくきっかけになるかと思います。国際法や国際情勢に関心のある学生にはぜひ手に取ってもらいたい一冊です。

(本吉祐樹准教授/4F西開架 329||Sa 32a)       ※赤字をクリックでOPACにつながります