推薦図書
『ジェンダー学への道案内 四訂版』
- 著者名 : 高橋準 著
- 出版社 : 北樹出版
- 出版年 : 2014年
- ライブラリ−・ニュース掲載号 : 2014 Vol.4
「ジェンダーって何?」と疑問に思う人に,ぜひこの本の読書をお勧めしたい。
著者の高橋準氏は,社会学を専門とする福島大学教授。この本は大学で使用するテキストとして執筆されたものだが,一人でも面白く読み進められる。1章から6章までの冒頭は,大学生AさんとKさんの物語になっている。二人の話を読みながら,自らが知らず知らずに抱え込んでいる偏見にドキッとするのは,私ばかりではないだろう。
ジェンダーをめぐって現代社会で何が問題なのかが,「労働」・「家族」・「身体」などの視点から的確に分析され,ていねいに「気づき」を促してくれる。各章に付された「コラム」は興味深いし,「参考文献」・「ブックガイド」は次のステップへの導きとなる。この四訂版では,第6章「震災とジェンダー/セクシュアリティ」が加わった。自然災害の発生とジェンダーがどのように関わるのか,疑問に思う人もいるかもしれない。ぜひこの章を読んでもらいたい。東日本大震災の時,高橋氏の勤める福島大学も避難所の一つになった。教職員に男女による役割分担の考え方がなかったため,避難所の運営がスムーズにいったそうだ。日ごろからジェンダー平等を推進しておけば,災害脆弱性を減らすことができそうだ。
[江島泰子教授/5F東開架]
著者の高橋準氏は,社会学を専門とする福島大学教授。この本は大学で使用するテキストとして執筆されたものだが,一人でも面白く読み進められる。1章から6章までの冒頭は,大学生AさんとKさんの物語になっている。二人の話を読みながら,自らが知らず知らずに抱え込んでいる偏見にドキッとするのは,私ばかりではないだろう。
ジェンダーをめぐって現代社会で何が問題なのかが,「労働」・「家族」・「身体」などの視点から的確に分析され,ていねいに「気づき」を促してくれる。各章に付された「コラム」は興味深いし,「参考文献」・「ブックガイド」は次のステップへの導きとなる。この四訂版では,第6章「震災とジェンダー/セクシュアリティ」が加わった。自然災害の発生とジェンダーがどのように関わるのか,疑問に思う人もいるかもしれない。ぜひこの章を読んでもらいたい。東日本大震災の時,高橋氏の勤める福島大学も避難所の一つになった。教職員に男女による役割分担の考え方がなかったため,避難所の運営がスムーズにいったそうだ。日ごろからジェンダー平等を推進しておけば,災害脆弱性を減らすことができそうだ。
[江島泰子教授/5F東開架]