推薦図書

『法人税法の理論と実務』

  • 著者名 : 成道秀雄=松嶋隆弘=坂田純一編 著
  • 出版社 : 第一法規
  • 出版年 : 2014年
  • ライブラリ−・ニュース掲載号 : 2014 Vol.4
消費増税が問題となった総選挙を例にとるまでもなく,税法はわれわれに非常に関係の深い法律である。しかし,課税対象が正確に書かれていなければ適用することが難しくなるため,税法の規定は,長文で難しい記述も多い。しかも,課税関係は民法・商法のような実体法との関係で決まるため,実体法も十分知っておかなければならない。
そうなると税法にも,実体法にも目を向けた書籍が必要となるので本書を紹介することにした。本書は,法人税の各テーマについて深く掘り下げ,理論・学説・判例を紹介しながらわかりやすく解説するものである。
本書の内容の一端を紹介したい。本書は,総論と各論に分かれ,法人税に関する理論的な問題と,実務的な問題の両者を取り上げる。「会社法と税法の交錯」,「確定決算主義」,「租税制裁制度における二重処罰の禁止」,「倒産と租税」,「事業体課税・グループ法人税制・公益法人課税・信託税制」,「租税回避・国際課税等」等である。
本書の対象は,税法,会社法を学ぶ学部3・4年次生や院生になるが,理論と実務の交錯する問題を
知る上で参考になるので,ぜひ一読を勧めたい一冊である。
[大久保拓也教授/5F東開架]