推薦図書
“The general theory of employment, interest and money”
- 著者名 : John M.Keynes著
- 出版社 : Macmillan
- 出版年 : 1936年
- ライブラリ−・ニュース掲載号 : 2014 Vol.4
1929年にアメリカで発生した大恐慌は,他の先進工業国にも波及し,大きな政治社会問題を引き起こした。とりわけ最大の問題になったのは,勤労意欲はあるが働く職場がない,いわゆる非自発的失業者の発生という事態であり,ケインズの課題はその失業者に対して如何にして職を与え,従って所得を与えるかという点にあった。大恐慌の中で,たとえ企業が生産活動をして財を市場に供給しても,販売利益は望めない。従って企業に投資意欲はない。また国民の多くは失業しており,所得を得られず,従って消費を維持することもできない。
こうした状況に対して,ケインズは投資を拡大し,人々に就業の機会を与え,所得を増やし,その結果消費を増加させ,企業の生産を活発化させるためには,自由放任思想に基づく立場を放棄して,民間の投資と消費に加えて政府が公共投資によって仕事をつくり出して,雇用の機会を創出する以外に方策はないという結論に至ったのである。これを彼は有効需要の原理と呼んだ。ケインズの理論は名著『雇用・利子および貨幣の一般理論』によって展開されており,私経済の中に政府が積極的に介入していくところから,これを修正資本主義の理論とも呼ぶ。戦後の世界経済の繁栄は,本書の理論に依るといわれる程重要な本である。
[山口正春教授/6F西開架]
こうした状況に対して,ケインズは投資を拡大し,人々に就業の機会を与え,所得を増やし,その結果消費を増加させ,企業の生産を活発化させるためには,自由放任思想に基づく立場を放棄して,民間の投資と消費に加えて政府が公共投資によって仕事をつくり出して,雇用の機会を創出する以外に方策はないという結論に至ったのである。これを彼は有効需要の原理と呼んだ。ケインズの理論は名著『雇用・利子および貨幣の一般理論』によって展開されており,私経済の中に政府が積極的に介入していくところから,これを修正資本主義の理論とも呼ぶ。戦後の世界経済の繁栄は,本書の理論に依るといわれる程重要な本である。
[山口正春教授/6F西開架]