推薦図書
“Adam Smith: An Enlightened Life”
- 著者名 : Phillipson Nicholas著
- 出版社 : Penguin Books
- 出版年 : 2011年
- ライブラリ−・ニュース掲載号 : 2014 Vol.3
著者フィリップソンは,アダム・スミス(1723-1790)の母国スコットランドのエディンバラ大学で長らく教鞭をとり,現在はエディンバラ大学の名誉研究員となっている。フィリップソンは,経済学の祖,そして『諸国民の富』(1776)の作者として知られるスミスの生涯を,スミスのもう一つの横顔,道徳哲学教授としての業績を振り返ることで,再構成する。スミスは,「神の見えざる手」によって,個々人が自分の利益を追究しながらも,結果的には社会全体の利益も実現されると説いている。しかしながらそこで行われる自由競争は無制約ではない。『諸国民の富』に先立って執筆された『道徳感情論』(1759)においてスミスは「同感」(共感)の理論を展開していた。自己の行為が,第3者からの同感を得られるかを問い続けたのがスミスである。フィリップソンは,今まで別々に論じられることが多かったスミスの経済学者と道徳哲学者の姿を総合することに成功している。
本書の邦訳『アダム・スミスとその時代』がこの度出版されている。また,スミスの『道徳感情論』と『諸国民の富』の各初版復刻版が図書館に所蔵されている。併せて読んで欲しい。
[川又祐教授/所蔵予定]
本書の邦訳『アダム・スミスとその時代』がこの度出版されている。また,スミスの『道徳感情論』と『諸国民の富』の各初版復刻版が図書館に所蔵されている。併せて読んで欲しい。
[川又祐教授/所蔵予定]