推薦図書
“Europäisierung des Rechts, Herausgegeben von Herbert Roth”
- 著者名 : Herbert Roth著
- 出版社 : Mohr Siebeck
- 出版年 : 2010
- ライブラリ−・ニュース掲載号 : 2011 Vol.2
本書は,ドイツ・レーゲンスブルク大学法学部において,2009/2010年度の冬学期に行われたオムニバス講義の内容を一冊にまとめたものである。本書には,オムニバス講義の統一テーマである“法のヨーロッパ化”との関連において,憲法,租税法,刑法,民法,刑事訴訟法及び民事訴訟法などの領域における17の論文が掲載されている。中でも,ライナー・アーノルド「連邦憲法裁判所とヨーロッパ裁判所:協調あるいは衝突?」,ペーター・ゴットヴァルト「ヨーロッパ倒産法-今日においてもなお未熟な法領域」,ディーター・ヘンリッヒ「国際家族・相続法におけるヨーロッパ化達成への努力」,ヘルベルト・ロート「内国国際民事訴訟法の存在意義の喪失について」,アンドレアス・シュピックホーフ「ヨーロッパ化された国際債権法と私法のヨーロッパ化」などの論文が興味深い。現在,ヨーロッパでは,EU加盟国の中で法の統一化の作業が進められており,法の統一化ないし法のヨーロッパ化という問題は,重要なテーマの一つとされている。本書はドイツ語で書かれているため,学部の学生には難しいと思われるが,大学院の学生には是非とも一読をお勧めする。
(小田司教授/6F東開架)
(小田司教授/6F東開架)