推薦図書
『選挙制を疑う』
- 著者名 : ダーヴィッド・ヴァン・レイブルック著;岡崎晴輝,ディミトリ・ヴァンオーヴェルク訳
- 出版社 : 法政大学出版局
- 出版年 : 2019年
- ライブラリ−・ニュース掲載号 : 2023 Vol.3
皆さんは,民主主義の根幹は何だと思いますか。その答えとして選挙を挙げる方も多いでしょう。しかしながら,日本では若年層を中心にした低投票率が問題になっています。投票に行かない理由を一つだけに絞るのは困難ですが,代表者たる政治家がわれわれの声を反映させた政治を行っていないと感じることもあるのではないでしょうか。そうだとするならば選挙による代議制民主主義の危機的状況であるといえるかもしれません。
本書では,現代の民主主義が機能不全に陥っているとの認識を基にして,選挙に代わる新たな民主主義の在り方を提示しています。その方策こそが「抽選(くじ引き)」です。例えば,世襲による既得権益化によって,親子で同じ選挙区から出馬しているケースに対する批判を見ると,この抽選制は魅力的に映ります。しかしながら,この抽選制はバラ色の未来ばかりではありません。では,抽選制の何が問題になるのか。何が抽選制の魅力なのか。そもそも抽選制は選挙に代わる選択肢になり得るのか。それとも抽選制は,選挙と両立する仕組みなのか。こうした問題を考えるためにも,ぜひとも本書を手に取ってみてください。
(三澤真明准教授/4F東開架 311.7||R 29)
本書では,現代の民主主義が機能不全に陥っているとの認識を基にして,選挙に代わる新たな民主主義の在り方を提示しています。その方策こそが「抽選(くじ引き)」です。例えば,世襲による既得権益化によって,親子で同じ選挙区から出馬しているケースに対する批判を見ると,この抽選制は魅力的に映ります。しかしながら,この抽選制はバラ色の未来ばかりではありません。では,抽選制の何が問題になるのか。何が抽選制の魅力なのか。そもそも抽選制は選挙に代わる選択肢になり得るのか。それとも抽選制は,選挙と両立する仕組みなのか。こうした問題を考えるためにも,ぜひとも本書を手に取ってみてください。
(三澤真明准教授/4F東開架 311.7||R 29)