推薦図書
『政治はケンカだ! : 明石市長の12年』
- 著者名 : 泉房穂著 ; 鮫島浩聞き手
- 出版社 : 講談社
- 出版年 : 2023年
- ライブラリ−・ニュース掲載号 : 2023 Vol.4
明石市はどこにあるかご存知ですか?報道等で前市長がどのようなパワハラ暴言を発したのかよく知られている市です。一方で,彼が市長だった頃,一部の市民から,特に若いお母さん世代から少子化対策に対する政策評価が高く,実際に出生率が増加していたことも事実です。私はこのギャップに興味をもち,どのような人物なのか知りたくて彼の著作を数冊読んでみました。
前市長・泉房穂は,学生時代,田中角栄がロッキード事件で有罪になっても選挙の得票数が増えて当選したことに腹を立て,新潟県に乗り込んで越山会の人たちの話を聞いたそうです。そこで聞いたことは,田中は選挙民をよく見ていたということでした。都市の人間は搾取されたのですが,地元の人々にとっての利益誘導型の政治家だったのです。
対して,最近の政治家は劣化しているといいます。理由は中選挙区だったものを小選挙区にしたからだそうです。そのせいで,政治家は公認を取るために選挙民を見ず,党の幹部の顔色を窺うばかりで,自分の力で選挙に勝てる政治家がいなくなったと指摘しています。田中のような,どうすれば地元のためになるのか,それを考える政治家もいなくなったというのです。田中は刑事被告人なので当然賛否はありますが,今見直されているところがあり,確かに学ぶべき点は多いようです。
「信念のある政治家とは?」投票する前に一度考えてみませんか?
(野口恵子教授/1F新着図書コーナー 318.264||I 99a)
前市長・泉房穂は,学生時代,田中角栄がロッキード事件で有罪になっても選挙の得票数が増えて当選したことに腹を立て,新潟県に乗り込んで越山会の人たちの話を聞いたそうです。そこで聞いたことは,田中は選挙民をよく見ていたということでした。都市の人間は搾取されたのですが,地元の人々にとっての利益誘導型の政治家だったのです。
対して,最近の政治家は劣化しているといいます。理由は中選挙区だったものを小選挙区にしたからだそうです。そのせいで,政治家は公認を取るために選挙民を見ず,党の幹部の顔色を窺うばかりで,自分の力で選挙に勝てる政治家がいなくなったと指摘しています。田中のような,どうすれば地元のためになるのか,それを考える政治家もいなくなったというのです。田中は刑事被告人なので当然賛否はありますが,今見直されているところがあり,確かに学ぶべき点は多いようです。
「信念のある政治家とは?」投票する前に一度考えてみませんか?
(野口恵子教授/1F新着図書コーナー 318.264||I 99a)