推薦図書

『一般条項の理論・実務・判例』第1巻 基礎編,第2巻 応用編(勁草法律実務シリーズ)

  • 著者名 : 小賀野晶一, 浦木厚利, 松嶋隆弘編 著
  • 出版社 : 勁草書房
  • 出版年 : 2023年
  • ライブラリ−・ニュース掲載号 : 2023 Vol.4
民法を学ぶと,法律学の基本的な考え方を身に付けることができます。その一つに信義則,権利濫用,公序良俗等の一般条項があります。法律学の初期に学ぶ理論ですから,一般条項を理解した上で,他の条文を学んでゆくことになります。 ところが,それを具体的な事件に当てはめて適用された裁判例を検討しようとすると,一般条項は訴訟手続上どのように主張・立証して行くべきかが問題となります。本書は,研究者による判例分析,弁護士による主張・立証の方法,裁判官による裁判所からみた立証のポイント,の3つの視点から分類し,多面的に考察しています。 一例を挙げれば,信義則・権利濫用の生成と展開,子の引渡請求権と民事執行法改正,環境問題と信託法理,要件事実が訴訟手続において果たすべき役割,表見代理における「正当な理由」等,講義で取り上げられる有名な事件の解説があり,それに理論的な分析もされています。一般条項を深く学ぶことで,講義やゼミの検討を深めることができます。 基礎編と応用編の2巻本ですから,さまざまな一般条項が取り上げられています。この中から興味のある条項の解説を順次読み進めていってください。
(大久保拓也教授/1F新着図書コーナー 324||O 21b||1・324||O 21b||2)