推薦図書
『雇用差別と闘うアメリカの女性たち』
- 著者名 : ジリアン・トーマス著;中窪裕也訳
- 出版社 : 日本評論社
- 出版年 : 2020年
- ライブラリ−・ニュース掲載号 : 2024 Vol.2
アメリカでは1964年に成立した公民権法のなかで,雇用における「性を理由とする」差別が,初めて禁止されました。この公民権法第7編での雇用差別禁止規定は,その後,女性たちが職場における正義を求めて訴訟を提起していく,拠りどころとなっていきます。当初,こうした訴訟は,裁判所で好意的な扱いを受けるものではありませんでしたが,1件,そしてまた1件と,少しずつ正義を勝ちとる有利な判決がなされ,連邦最高裁での判断につながっていきました。本書は,連邦最高裁に到達し,かつ,女性差別を正すうえで試金石となるような判断を勝ち得た10の事件について,その原告たちに焦点をあてた物語です。
著者は弁護士であり,本書冒頭に,「勝訴できるかどうかの見込みがあれほど不確実な中で,しかも,社会のカルチャーが働く女性に対してあれほど懐疑的だった時代に…(性差別を闘った)彼女たちのことを知ってみたい,そして彼女たちの話を伝えたい,と思った」と記しています。働く場での男女比率差が大きく,女性差別もセクシャル・ハラスメントも流れる空気のように当然だった時代が,かつてありました。そう遠い過去ではありません。おかしいと声を上げた女性たちがいることを,その時のどうしようもない想いを,今,現代に生きる大学生の皆さんに,一人でも多く,知ってもらいたいと思います。
(藤井直子准教授/5F東開架 366.38||Th 5) ※赤字をクリックでOPACにつながります
著者は弁護士であり,本書冒頭に,「勝訴できるかどうかの見込みがあれほど不確実な中で,しかも,社会のカルチャーが働く女性に対してあれほど懐疑的だった時代に…(性差別を闘った)彼女たちのことを知ってみたい,そして彼女たちの話を伝えたい,と思った」と記しています。働く場での男女比率差が大きく,女性差別もセクシャル・ハラスメントも流れる空気のように当然だった時代が,かつてありました。そう遠い過去ではありません。おかしいと声を上げた女性たちがいることを,その時のどうしようもない想いを,今,現代に生きる大学生の皆さんに,一人でも多く,知ってもらいたいと思います。
(藤井直子准教授/5F東開架 366.38||Th 5) ※赤字をクリックでOPACにつながります