推薦図書
『デリバティブ・金融工学 / 金融と法 Ⅱ』
- 著者名 : 大垣尚司 著
- 出版社 : 勁草書房
- 出版年 : 2022年
- ライブラリ−・ニュース掲載号 : 2022 Vol.4
デリバティブとは,実態のある財産や取引,金融的な価値や損益と連動した指標の全部もしくは一部に支払が連動した経済的な収益・損失をもたらす金融的な取引や金融商品のことをいいます。これは,株式等の現物から派生した商品です。本書はさまざまなデリバティブを網羅的に取り上げ,その全体像を説明するものです。
その一例として,ストック・オプションと呼ばれる株価連動型の報酬を取り上げてみましょう。これは,役員・従業員の報酬として付与されています。もちろん金銭報酬もありますが,固定的な報酬額となるため,役員等が会社の業績を高め,株価を上げたとしてもその役員等に対するリターンも固定的な報酬額にとどまります。そのため,会社の業績をさらに高めようという意欲(インセンティブ)は高まりません。これに対し,株価連動型の報酬は会社の業績を高めれば株価も上がりますので,業績向上のインセンティブは高くなります。本書の第4章は,報酬とデリバティブの関係について図表を使いながら説明しており,大変わかりやすい内容になっています。
商法,金融法などに通じる金融関係の基本を学ぶ格好の素材ですから,ぜひ手に取って欲しい1冊です。
(大久保拓也教授/5F東開架 336.8||O 21a||2)
その一例として,ストック・オプションと呼ばれる株価連動型の報酬を取り上げてみましょう。これは,役員・従業員の報酬として付与されています。もちろん金銭報酬もありますが,固定的な報酬額となるため,役員等が会社の業績を高め,株価を上げたとしてもその役員等に対するリターンも固定的な報酬額にとどまります。そのため,会社の業績をさらに高めようという意欲(インセンティブ)は高まりません。これに対し,株価連動型の報酬は会社の業績を高めれば株価も上がりますので,業績向上のインセンティブは高くなります。本書の第4章は,報酬とデリバティブの関係について図表を使いながら説明しており,大変わかりやすい内容になっています。
商法,金融法などに通じる金融関係の基本を学ぶ格好の素材ですから,ぜひ手に取って欲しい1冊です。
(大久保拓也教授/5F東開架 336.8||O 21a||2)