推薦図書
『事例でおさえる民法改正債権法』
- 著者名 : 磯村保 著
- 出版社 : 有斐閣
- 出版年 : 2021年
- ライブラリ−・ニュース掲載号 : 2022 Vol.5
大学における民法の授業では,民法の条文と判例・学説を通した民事紛争の解決ルールをまず理解することが中心とされます。もっとも,こうした抽象的な紛争解決ルールも,具体的事例の中で適用し,運用してみて初めて,その意味を実感できるものです。また,これを通じて,(現段階での)多数説的解決ルールが抱える問題点に気づかされることも少なくありません。思考を深めるうえで,抽象と具体を往復することは極めて重要です。
そこで,民法を学んでいる皆さんに,本書を薦めます。本書は,具体的事例に即して,2017年の民法(債権関係)改正の内容と必要性,旧法と改正民法の間の連続性/非連続性を,丁寧かつ簡明に描いています。本書の著者は,これまで,法律行為解釈論,二重譲渡論,給付不当利得論などの分野で,問題意識の鋭さや理論の透徹さにおいて,他の研究者を魅了してきました。本書でもまた,新しい問題意識が散りばめられており,今後学術論文においても引用されることが予想されます。それだけに,皆さんが本書の内容全てを理解するのは難しいかもしれませんが,自分が興味を持った章だけでも,何度も何度も読み,悩むことを楽しみましょう。そして,著者の法解釈論に興味を持ったら,論文検索システム等を利用し,是非これまでの著者の論文にもトライして欲しいと思います。
(野中貴弘准教授/4F西開架 324.4||I 85.1)
そこで,民法を学んでいる皆さんに,本書を薦めます。本書は,具体的事例に即して,2017年の民法(債権関係)改正の内容と必要性,旧法と改正民法の間の連続性/非連続性を,丁寧かつ簡明に描いています。本書の著者は,これまで,法律行為解釈論,二重譲渡論,給付不当利得論などの分野で,問題意識の鋭さや理論の透徹さにおいて,他の研究者を魅了してきました。本書でもまた,新しい問題意識が散りばめられており,今後学術論文においても引用されることが予想されます。それだけに,皆さんが本書の内容全てを理解するのは難しいかもしれませんが,自分が興味を持った章だけでも,何度も何度も読み,悩むことを楽しみましょう。そして,著者の法解釈論に興味を持ったら,論文検索システム等を利用し,是非これまでの著者の論文にもトライして欲しいと思います。
(野中貴弘准教授/4F西開架 324.4||I 85.1)