推薦図書
『それでも選挙に行く理由』
- 著者名 : アダム・プシェヴォスキ著 ; 粕谷祐子, 山田安珠訳
- 出版社 : 白水社
- 出版年 : 2021年
- ライブラリ−・ニュース掲載号 : 2022 Vol.2
ロシアとウクライナの問題しかり,ポピュリズムの問題しかり,現在の各国の政治に目を向けたときに,あらためて民主主義とは何なのだろうかという疑問がわいてくるのではないでしょうか。民主主義国間での違いのみならず,民主主義国とそうでない国との違いも,民主主義という視座から捉え直すことが可能です。
本書は,民主主義の根幹をなす選挙に着目し,その機能や効果について,「歯に衣着せぬ鋭利な分析」を行っています。第Ⅰ部では,歴史を参照しつつ,なぜ選挙が行われるようになったのか,選挙の実態はどのようなものであったのかが論じられています。第Ⅱ部では,競合的な選挙が行われると,どのような効果(変化)が生じるのか議論されています。
主権者教育が行われるようになって久しい日本において,選挙の重要性は繰り返し指摘されてきたことでしょう。しかしながら,理想論が多くを占める主権者教育とは異なり,具体的なデータに基づきつつ,怜悧な目で選挙を捉えている本書の議論は,非常に示唆に富んだものとなっています。ここでは,「それでも選挙に行く理由」は伏せますが,ぜひ本書を手に取って,その結論を読み取ってくれることを期待します。
(三澤真明准教授/4F東開架 314.8||P 95)
本書は,民主主義の根幹をなす選挙に着目し,その機能や効果について,「歯に衣着せぬ鋭利な分析」を行っています。第Ⅰ部では,歴史を参照しつつ,なぜ選挙が行われるようになったのか,選挙の実態はどのようなものであったのかが論じられています。第Ⅱ部では,競合的な選挙が行われると,どのような効果(変化)が生じるのか議論されています。
主権者教育が行われるようになって久しい日本において,選挙の重要性は繰り返し指摘されてきたことでしょう。しかしながら,理想論が多くを占める主権者教育とは異なり,具体的なデータに基づきつつ,怜悧な目で選挙を捉えている本書の議論は,非常に示唆に富んだものとなっています。ここでは,「それでも選挙に行く理由」は伏せますが,ぜひ本書を手に取って,その結論を読み取ってくれることを期待します。
(三澤真明准教授/4F東開架 314.8||P 95)