推薦図書

『一問一答・平成28年刑事訴訟法等改正』

  • 著者名 : 吉田雅之 著
  • 出版社 : 商事法務
  • 出版年 : 2018年
  • ライブラリ−・ニュース掲載号 : 2021 Vol.4
平成13年に司法制度改革審議会が国民に利用しやすい司法制度を目指した提言を行って以降,刑事司法制度については,裁判員制度の導入を始めとして様々な制度が導入されてきました。さらに,検察の信頼回復を図るために設けられた「検察の在り方検討会議」の検討を受けるなどして,平成28年5月に刑事訴訟法等の一部を改正する法律が制定されました。それまでの捜査・公判が取調べ及び供述調書に過度に依存した状況にあるとの指摘を踏まえ,刑事手続を時代に即したより機能的なものとし,国民の信頼を確保するため,それまでの捜査・公判の現場には多大な影響を与える様々な制度の導入や改正がなされました。例えば,取調べの録音・録画制度の導入(義務化),証拠収集等への協力及び訴追に関する合意制度及び刑事免責制度の導入などです。
刑事訴訟法を学習する際,改正法の理解,修得は不可欠です。
本書は,改正法の立案作業を担当した法務省刑事局参事官(当時)による改正法の解説書である上,一問一答式となっているため,学習する者の疑問点を広くおさえたものとなっていますので,法学部生だけではなく,法科大学院生にもお薦めの一冊です。
(澤田康広教授/4F西開架 327.6||Y 86.2)