推薦図書

『アメリカ人が驚く日本法 』

  • 著者名 : 樋口範雄 著
  • 出版社 : 商事法務
  • 出版年 : 2021年
  • ライブラリ−・ニュース掲載号 : 2021 Vol.3
海外から日本を見ることで新たな発見があります。外国制度と日本法制度とを比較することは,法文化の違いの典型例を知ることができる格好の素材です。
資本主義社会の基本は個人の自由な契約・自由な取引であり,これを基本的な価値とするアメリカは契約社会です。それでは,日本も同じ資本主義社会ですから,アメリカと同じ意味で契約社会といえるのでしょうか。
日本の永代供養契約のように,永遠に続く契約は認められるのか?保険契約を結んだ後に被保険者が自殺した場合,保険金は支払われるだろうか?客が望んでふぐの肝を食べたが中毒死してしまった場合,提供した人に責任はあるだろうか?美容室で髪を短く切られすぎた場合,不法行為で訴えることができるだろうか?これらのトピックスを取り上げ,日本法の考え方がアメリカ人から見るとどのような点が驚きをもって捉えられるのか,日本法とアメリカ法の法律観の違いを分析するのが本書です。
コロナ禍で海外に出ることが難しい現在,日本法と外国法という文化の違いを身近に感じるためにも,ぜひ手に取って欲しい1冊です。
(大久保 拓也教授/法図1F新着図書コーナー 324.52||H 56)