推薦図書

“Democracy and the Cartelization of Political Parties”

  • 著者名 : Richard S. Katz and Peter Mair
  • 出版社 : Oxford University Press
  • 出版年 : 2018年
  • ライブラリ−・ニュース掲載号 : 2020 Vol.1
カッツ(Richard S. Katz)とメア(Peter Mair)は,政党がリソースの点でも,スタッフの点でも,政党財政の点でも,以前にもまして充実してきており,政党は国家の一部になったと指摘している。彼らの言う「カルテル政党論」は,国家への政党の浸透によって特徴づけられるとともに,政党間の共謀によっても特徴づけられる。表面上,政党同士は競争相手であるが,共謀と協力を行うことにより,新しいタイプの政党モデルが発達した。本書は,カルテル政党論について,一冊の書物としてまとめられたものである。同書の刊行を受け,2019年にポーランドで開催されたECPR(European Consortium for Political Research:ヨーロッパ政治学会)年次大会では,Democracy and the Cartelization of Political Parties: Responses and Reflectionsというセッションが設けられ,立ち見が出るほど聴衆が集まったことに示されるように,世界的に注目を浴びている書物であり,世界の多くの政治学者が関心を向けているテーマでもある。
(岩崎 正洋教授/ 5F西開架)