推薦図書
『現代ドイツ基本権(第2版)』
- 著者名 : ボード・ピエロート[ほか]著 ; 永田秀樹, 倉田原志, 丸山敦裕訳
- 出版社 : 法律文化社
- 出版年 : 2019年
- ライブラリ−・ニュース掲載号 : 2019 Vol.5
本書は,ドイツにおける憲法の「標準的教科書」と称されるピエロート/シュリンクの教科書の待望の改訳版である。原著15版を邦訳した旧約版は2001年に出版され,多くのドイツ憲法研究者やドイツ法を学ぶ学生に愛読されてきたが,原著が現在で35版を重ねており,著者に新たにキングレーン,ポッシャーが加わっていることからも,新しいバージョンの邦訳が待たれていた。今回の改訳版では原著31版が訳出されている。
昨今,ドイツ連邦憲法裁判所が採用する違憲審査の手法である「三段階審査」や「比例原則審査」の手法には,その世界的な波及傾向も相俟って,日本でもさらなる関心が示されている。こうした審査手法を丁寧に解説し,判例を縦横無尽に駆使しながらその手法の全体像を示している点において,本書はきわめて示唆に富む。
ピエロート,シュリンクによるもはや「古典」ともいうべき解説に,当代きっての理論家であるキングレーン,ポッシャーによる修正・補足が加えられた本書は,ドイツ憲法の現況を我々に伝える書物として広く読まれるに値するものといえよう。
(玉蟲由樹教授/4F西開架)
昨今,ドイツ連邦憲法裁判所が採用する違憲審査の手法である「三段階審査」や「比例原則審査」の手法には,その世界的な波及傾向も相俟って,日本でもさらなる関心が示されている。こうした審査手法を丁寧に解説し,判例を縦横無尽に駆使しながらその手法の全体像を示している点において,本書はきわめて示唆に富む。
ピエロート,シュリンクによるもはや「古典」ともいうべき解説に,当代きっての理論家であるキングレーン,ポッシャーによる修正・補足が加えられた本書は,ドイツ憲法の現況を我々に伝える書物として広く読まれるに値するものといえよう。
(玉蟲由樹教授/4F西開架)