推薦図書
『はじめてのEU法』
- 著者名 : 庄司克宏 著
- 出版社 : 有斐閣
- 出版年 : 2015年
- ライブラリ−・ニュース掲載号 : 2016 Vol.1
我が国におけるEU法の第一人者の手によるEU法入門書である。
これまでのEU法の教科書は,一般にEU法の直接効果と優位性のほか,立法や司法など,組織法・手続法にもっぱら焦点が当てられることが多く,EU域内市場法や競争法などのEU法の実体法の部分の説明が十分ではなかった。また,EU法については,国際法,国際経済法,環境法等の講義や書籍の中で取り上げられることが少なく,EU法を断片的に知るにとどまり,体系的に理解することができる書籍がなかった。それに対し本書では,EU法と国内法との関係(1部),域内市場法と経済通貨同盟(2部),域内市場法が伝統的な国内法分野である民事法や刑事法などへの波及例(3部),EUの統治機構(4部)という構成をとり,EU法の全体像を体系的に理解することができるように工夫されている。また内容についても,入門書であることが考慮され,非常に平明に解説されている。EUについては,ギリシャの財政破綻,難民の流入などのニュースに注目が集まっているが,目立たないものの,EUが日系企業に対し制裁を科した報道も時々伝えられている。企業に対する制裁は,事業活動に大きな影響を与えるために,企業にとってはEU法の知識は極めて重要となっている。本書で得た知識を,皆さんが卒業後に企業の事業活動の中で少しでも活かすことができたら幸いである。
(中村 進教授/配架予定)
これまでのEU法の教科書は,一般にEU法の直接効果と優位性のほか,立法や司法など,組織法・手続法にもっぱら焦点が当てられることが多く,EU域内市場法や競争法などのEU法の実体法の部分の説明が十分ではなかった。また,EU法については,国際法,国際経済法,環境法等の講義や書籍の中で取り上げられることが少なく,EU法を断片的に知るにとどまり,体系的に理解することができる書籍がなかった。それに対し本書では,EU法と国内法との関係(1部),域内市場法と経済通貨同盟(2部),域内市場法が伝統的な国内法分野である民事法や刑事法などへの波及例(3部),EUの統治機構(4部)という構成をとり,EU法の全体像を体系的に理解することができるように工夫されている。また内容についても,入門書であることが考慮され,非常に平明に解説されている。EUについては,ギリシャの財政破綻,難民の流入などのニュースに注目が集まっているが,目立たないものの,EUが日系企業に対し制裁を科した報道も時々伝えられている。企業に対する制裁は,事業活動に大きな影響を与えるために,企業にとってはEU法の知識は極めて重要となっている。本書で得た知識を,皆さんが卒業後に企業の事業活動の中で少しでも活かすことができたら幸いである。
(中村 進教授/配架予定)