推薦図書

“Coalition Governments in Western Europe”

  • 著者名 : Wolfgang C. Müller and Kaare Strøm 著
  • 出版社 : Oxford University Press.
  • 出版年 : 2003年
  • ライブラリ−・ニュース掲載号 : 2015 Vol.4
連立政権(coalition government)がどのような政党の組み合わせによってつくられ,どのような政策がつくられ,どのように閣僚の配分がなされ,どの程度の期間にわたって続けられ,どのような政党間の取り決めによって合意がなされているのかなど,さまざまな観点から世界13か国の連立政権の比較分析を行ったのが本書である。本書の二人の編者はいずれも世界的に有名な政治学者であり,連立政権や政党政治などに関する研究では必ず名前を目にする存在である。また,本書の他の執筆者も世界各国の代表的な論者ばかりである。編者や執筆者という点から考えても一読に値するが,内容的にも先進民主主義諸国の政治について考える際に,非常に有用であるし,連立政権が常態化している現在の日本政治について考える際にも多くの示唆を与えてくれる一冊である。本書では,世界の連立政権を比較するための分析枠組みが示されており,それにもとづいて各国の事例が検討されている。実は,私自身も本書で示されている連立政権の分析枠組みを用いて,1993年以降の日本の連立政権を分析してみようと思っている。
(岩崎 正洋教授/5F西開架)