推薦図書
『民主政治はなぜ「大統領制化」するのか―現代民主主義国家の比較研究』
- 著者名 : T.ポグントケ/P.ウェブ編 岩崎正洋監訳
- 出版社 : ミネルヴァ書房
- 出版年 : 2014年
- ライブラリ−・ニュース掲載号 : 2015 Vol.2
種の境界線を越えて「犬」が「猫」になることはない。憲法改正でもしない限り,その国の政治制度が「議院内閣制」から「大統領制」に変わることもない。ところが本書は,複数国の比較研究を通じて,政治の〝ハード〟として議院内閣制や半大統領制を採用していても,政治運営や意思決定,選挙キャンペーンの方法など政治の〝ソフト〟の部分では,いわゆる(アメリカ型)「大統領制化」が進展してきたと主張している。政治の「大統領制化」とは,大雑把に言えば,<執政府・政党・選挙>という三つの側面で,内閣や与党主体の「集団」中心型政治が,首相・党首・候補者に代表される「個人」主導型の政治に変化していく現象である。言い換えれば,現代民主主義国家の政治では,(その人柄やイメージも含めて)「リーダー」の存在と役割が今まで以上に大きな意味をもつようになってきたということでもある。おそらく今の日本もその例外ではあるまい。
では,なぜそうなるのか。その原因については,本書を読んで皆さんにじっくり考えてもらいたい。ただ,忘れてはならないのは,現代民主政治において「新・旧メディア」の果たす役割が以前とは比べものにならないほど大きくなっているという事実であろう。
[渡辺容一郎教授/3F L301演習室]
では,なぜそうなるのか。その原因については,本書を読んで皆さんにじっくり考えてもらいたい。ただ,忘れてはならないのは,現代民主政治において「新・旧メディア」の果たす役割が以前とは比べものにならないほど大きくなっているという事実であろう。
[渡辺容一郎教授/3F L301演習室]