推薦図書

“Patterns of Democracy: Government Forms and Performance in Thirty-Six Countries, 2nd ed.”

  • 著者名 : Arend Lijphart著
  • 出版社 : Yale University Press
  • 出版年 : 2012年
  • ライブラリ−・ニュース掲載号 : 2013 Vol.2
本書は,政治学者レイプハルト(Arend Lijphart)の代表作の一つといえる。本書は,1999年に刊行されたものの第二版であるが,内容的には,1984年の著書の改訂版であるともいえる。レイプハルトが民主主義の二つのモデルを提示したのは,1984年のDemocracies: Patterns of Majoritarian and Consensus Government in Twenty-One Countries, New Heaven: Yale University Pressが最初である。 その後,彼は,比較研究の対象国数を増やすとともに,分析視点をさらに広げて,1999年にPatterns of Democracy: Government Forms and Performance in Thirty-Six Countriesを刊行した。1999年版は,粕谷祐子訳『民主主義対民主主義:多数決型とコンセンサス型の36ヶ国比較研究』として,勁草書房から2005年に翻訳が出ている。 既に欧米の政治学においても,我が国の政治学においても,レイプハルトによる民主主義の二つのモデルは,共通の知識として広く普及しており,常識と化しつつある。その意味でも,2012年に刊行された第二版は,レイプハルトの議論の最新版であり,注目に値する一冊として挙げることができるだろう。
(岩崎正洋教授/5F西開架)