推薦図書
“Determinants of democratization :explaining regime change in the world,1972-2006”
- 著者名 : Jan Teorell著
- 出版社 : Cambridge Univ. Press
- 出版年 : 2010年
- ライブラリ−・ニュース掲載号 : 2012 Vol.3
ここで挙げるのは,Jan Teorell, Determinants of Democratization: Explaining Regime Change in the World, 1972-2006 (Cambridge: Cambridge University Press, 2010)である。本書は,民主化の要因が何であるのかを主たるテーマとしており,いわゆる「民主化の第三の波」の時期に世界各国でみられた民主化の要因に関して,実証的な検討を行っている。研究対象となっている国の数は全165か国であり,統計的な分析が行われているが,それだけにとどまらず,アルゼンチン,ボリビア,ハンガリー,ネパール,ペルー,フィリピン,南アフリカ,トルコ,ウルグアイなど9か国についての事例研究もなされている。
本書では,民主化の要因が何かを解明するにあたり,社会的要因,経済的要因,国際的要因の三点から検討している。本書を読めば明らかなように,著者は,先行研究をふまえつつ,量的分析と質的分析の両方からのアプローチにより研究を行っており,政治学ないし比較政治学だけでなく,社会科学の方法論にもとづく一つの研究スタイルを学ぶことも可能となる一冊だといえよう。
(岩崎正洋教授/5F西開架)
本書では,民主化の要因が何かを解明するにあたり,社会的要因,経済的要因,国際的要因の三点から検討している。本書を読めば明らかなように,著者は,先行研究をふまえつつ,量的分析と質的分析の両方からのアプローチにより研究を行っており,政治学ないし比較政治学だけでなく,社会科学の方法論にもとづく一つの研究スタイルを学ぶことも可能となる一冊だといえよう。
(岩崎正洋教授/5F西開架)