卒業生の
キャリアストーリー

Career Story

Career Story 新聞学科

「虫の目,鳥の目,魚の目」
ジャーナリストにとって大切な視点を学びました。

新村 貴文さん TAKAFUMI NIIMURA 日本放送協会 / 2010年度卒業

私はNHKに記者として入局し,今はニュース番組の制作を担う部署で「ニュース7」を中心に,放送の構成を考えるニュースディレクターの仕事をしています。

私は高校卒業後,郵便配達の仕事に就きました。各家庭に手紙を届けるたびに,豊かで恵まれた暮らしがある一方,いわゆる社会的弱者と呼ばれる方々の難しい状況を見知ることになりました。日本社会の構造に疑問を抱いたものの,当時の私は政治も経済も社会の仕組みも分かりません。その時,「自身の社会に対する解像度を上げて,どうしたら世の中が良くなるか考えながら,社会に貢献していきたい」と強く思いました。記者は社会問題の本質に迫り,事実を伝える仕事です。まさに自分のビジョンを叶えられる職業だと思い,報道機関への就職を目指して大学進学に舵を切りました。

「記者に必要な素質は何か」「どんな訓練を受けられるか」と情報を探し,日本大学の新聞学科で学ぶことが一番の近道と考えました。入学してからは自分の未熟さと世間知らずを痛感して,新聞を毎日丁寧に読み,雑誌やオピニオン誌などの本から何でも吸収するように努めました。 記者には作文力も求められますから,大学では作文の授業も受けました。そこで知った「ランダムなテーマで800字の作文を書き上げる」というトレーニングには,自宅でも繰り返し取り組みました。慣れたら書くことが楽しくなり,自信を持てるようになりました。 ゼミナールでは論理的で緻密な思考と,仮説に対して調査研究でアプローチする方法を学び,記者の基本を身に付けることができました。

また,元ジャーナリストの先生から教わった「虫の目,鳥の目,魚の目」という考え方は,現場に赴いて当事者の話を聴き,そのニュースを取り巻く状況や関連する法律などを調べ,時代の流れや潮流の中で分析するという,記者の仕事に非常に役立っています。

Q&A

日本大学法学部の魅力は?
法律があり,政治と経済があり,行政があり,それらが絡み合う複雑な社会の上に,人々の営みがある。日本大学の法学部には,こういう「世の中の成り立ち」を解きほぐしながら学ぶことができる環境がありました。そういう意味では,なかなか「お買い得」な学部だったと思います。
高校生に一言お願いします。
私はいろいろなニュースを取材して,制作して,世の中に情報を発信し続けてきました。そういった仕事を通して,日本が強くて優しい社会へと成熟していくことをひたすら願っています。ジャーナリズムは世の中のためにとても大事な役割を果たしていることを知ってほしいです。