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TOP推薦図書紹介 推薦図書紹介図書委員からの推薦図書 2017 Vol.5『A Practitioner`s Guide to the FCA Listing Regime(20016/2017,29th ed.) 』Sweet & Maxwell 2016英国では,2008年リーマン金融危機後に2012年金融サービス法(Financial Services Act 2012)が成立し,2013年4月新たな金融監督体制が発足している。従来は金融サ-ビス機構(FSA Financial Services Authority)による金融機関監督が行われたが,ツインピ-クス体制に分割されている。即ち,金融安定を目的とする規制機関と消費者・投資家保護の規制や市場規制の機関を分離し,前者はBOE(Bank of England),後者を金融行為規制機構(Financial Conduct Authority FCA)が担当する。BOEではマクロ・プルーデンス政策を担当する金融政策委員会(Financial Policy Committee FPC),ミクロ・プルーデンス規制を担当する健全性規制機構(Prudential Regulation Authority PRA)が設置された。FCAは,金融サービスの効率性向上等により金融システムへの信認強化を図ること,適度な消費者保護の確保,金融システムの統合性(integrity)の強化等を目的とする。 柄谷行人著『世界史の構造』岩波書店 2010年極めて大掛かりなタイトルの本だが,ここには著者の危機意識が現れている。歴史の理念なき現在,「世界史」とは,詰まるところ力と資本の支配する舞台にすぎないのだろうか。著者はこのような見方に対し,むしろ力と資本がどのような構造において発生するのかを問う。この視点の取り方,言い換えれば抽象力にこそ,いま学ぶべきものがある。 宍戸常寿編『18歳から考える人権』法律文化社 2015年本当はダニエル・キイスの『アルジャーノンに花束を』を紹介しようと思ったのだが,法学部図書館には収蔵がないようだ。そこで,本書を紹介することにした。なぜ?と思われるかもしれないが,つながりは後ほど。 ナスリーン・アジミ,ミッシェル・ワッセルマン著 小泉直子訳『ベアテ・シロタと日本国憲法:父と娘の物語』岩波書店(岩波ブックレット) 2014年書かれている内容とは不釣合いなほど,小さな薄い冊子である。数奇な運命により日本国憲法の男女平等を書いた女性の物語である。白ロシア出身のユダヤ系ピアニスト、レオ・シロタとオーストリア人の母の間にウィーンで生まれ、ナチス時代の迫害を逃れて日本へやってきて東京で育った。第二次世界大戦中,日本に両親を残してアメリカの大学へ進学し,そこで終戦を迎える。両親に再会したい一心で,GHQに職を求め,彼女は日本へ戻った。そこで思いもしなかったミッションを託される。 |