推薦図書
『出発点 : 私の知的発展 (岩波文庫 ; 青N(38)-607-5)』
- 著者名 : カール・ポパー著;蔭山泰之訳
- 出版社 : 岩波書店
- 出版年 : 2025年
- ライブラリ−・ニュース掲載号 : 2026 Vol.1
科学哲学・政治哲学の分野で活躍し,批判的合理主義を提唱したイギリスの哲学者ポパー(1902-1994)。ウィーンに生まれ,戦間期の苦境を経験したこの哲学者が,自らの人生を振り返りながら,幅広いその思想のなりたちと全体像を語る自伝です。ドイツ語版の翻訳であり,決定版といっていい新訳です。
その思想は,科学哲学・政治哲学を超え,数学や物理学,原子論,相対論,量子論,確率論,進化論,音楽にまで及ぶ広大なものでありますが,だからといって,本書は,専門的な知識がない読者を寄せつけないものでもありませんし,かといって,散漫な教科書的説明に終わるものでもありません。
そもそも真理とは何なのか。人間にできるのは真理に到達することではなく,真理とみなされる仮設としての理論を提示するだけのこと。その反証が提示されることで理論は改善され,漸進的に,より真理とみなされるものに近づいていく。だとすれば,この可能性を無視し,特定の仮設を真理として断定してしまう理論は,自らその道を塞ぐことになるのでしょう。
この反証可能性という考え方を出発点にし,批判的合理主義を提唱したこの哲学者の思想の歩みと奥行き,全体像に触れることで,大学生活,これからの世界や社会,自分の人生のあり方を批判的に見つめなおすための貴重な手がかりにしてほしいと思います。
(岡山敬二教授/1F新着図書コーナー) ※赤字をクリックでOPACにつながります
その思想は,科学哲学・政治哲学を超え,数学や物理学,原子論,相対論,量子論,確率論,進化論,音楽にまで及ぶ広大なものでありますが,だからといって,本書は,専門的な知識がない読者を寄せつけないものでもありませんし,かといって,散漫な教科書的説明に終わるものでもありません。
そもそも真理とは何なのか。人間にできるのは真理に到達することではなく,真理とみなされる仮設としての理論を提示するだけのこと。その反証が提示されることで理論は改善され,漸進的に,より真理とみなされるものに近づいていく。だとすれば,この可能性を無視し,特定の仮設を真理として断定してしまう理論は,自らその道を塞ぐことになるのでしょう。
この反証可能性という考え方を出発点にし,批判的合理主義を提唱したこの哲学者の思想の歩みと奥行き,全体像に触れることで,大学生活,これからの世界や社会,自分の人生のあり方を批判的に見つめなおすための貴重な手がかりにしてほしいと思います。
(岡山敬二教授/1F新着図書コーナー) ※赤字をクリックでOPACにつながります