推薦図書

『愛馬心の涵養、馬匹改良の捷径は競馬にあり(競馬の社会史 ; 2 . 馬券黙許時代 ; 1)』

  • 著者名 : 立川健治著
  • 出版社 : 世織書房
  • 出版年 : 2024年
  • ライブラリ−・ニュース掲載号 : 2025 Vol.4
日清戦争,北清事変(義和団の乱),日露戦争を通じて日本軍馬の劣悪性が作戦遂行上支障をきたす事態となり,明治天皇の勅諚で馬匹改良が行われることになりました。馬匹改良の柱は,国民に馬への関心を持つ「愛馬心」を養うことが必要とされ,そのための方策として競馬の導入が検討されました。しかし,競馬には刑法に抵触する馬券という賭けが伴います。そこで政府は,認可した社団法人の競馬会に対して馬券発行を「黙許」するということにしました。
 本書は,馬券が黙許されるに至る過程から明治39(1906)年,東京競馬会による黙許競馬の始まり,東京競馬会の好評を受けて全国各地に競馬会が設立されるまでの歴史や取締の動きを見せようとする司法部の動きについて新聞資料などを中心に渉猟しています。競馬の歴史に興味のある人だけでなく明治後期の日本社会に興味のある人におすすめの一冊です。
なお,本書は1000ページを超える大著ですので,最初から読んでも良いし,興味のある章をピックアップして読んでみるのも良いと思います。

(末澤国彦准教授/法図1F新着図書コーナー 788.5||Ta 14a)     ※赤字をクリックでOPACにつながります