推薦図書
『矩を踰えて:明治法制史断章』
- 著者名 : 霞信彦
- 出版社 : 慶應義塾大学出版会
- 出版年 : 2007年
- ライブラリ−・ニュース掲載号 : 2024 Vol.4
明治の日本には二つの至上問題がありました。それは,欧米列強の植民地になることを防ぐことと日本社会の近代化です。そのためにまず求められたのが近代法の整備でした。刑罰法規については,大政奉還後は千年以上前の律令を範とする刑法典を施行していました。そして,明治15(1882)年,日本で最初の近代法である刑法(いわゆる旧刑法)が施行されることになりました。
本書は,律令を範とする刑法から近代刑法へ移行する過程で発生したさまざまなエピソードを多彩な歴史資料を用いながら丁寧に紹介しています。そこでは,刑罰の内容を近代化する過程で発生した問題や現代では考えられないような犯罪類型をめぐる問題や巷を騒がせた事件の顛末などいろいろなことが起きていることがわかります。また本書の後半では,この時代の法の制定や裁判にかかわった有名無名の人々の足跡が紹介されています。
そこから見えてくるのは,近代化を目指して苦悶する人々と社会の姿があるように感じられます。そして,本書は普段の授業では知ることのできない歴史のトピックがたくさん詰まった一冊です。
(末澤国彦准教授/4F東開架 322.16||Ka 79) ※赤字をクリックでOPACにつながります
本書は,律令を範とする刑法から近代刑法へ移行する過程で発生したさまざまなエピソードを多彩な歴史資料を用いながら丁寧に紹介しています。そこでは,刑罰の内容を近代化する過程で発生した問題や現代では考えられないような犯罪類型をめぐる問題や巷を騒がせた事件の顛末などいろいろなことが起きていることがわかります。また本書の後半では,この時代の法の制定や裁判にかかわった有名無名の人々の足跡が紹介されています。
そこから見えてくるのは,近代化を目指して苦悶する人々と社会の姿があるように感じられます。そして,本書は普段の授業では知ることのできない歴史のトピックがたくさん詰まった一冊です。
(末澤国彦准教授/4F東開架 322.16||Ka 79) ※赤字をクリックでOPACにつながります