推薦図書
『政治学の第一歩』
- 著者名 : 砂原庸介・稗田健志•多湖淳 著
- 出版社 : 有斐閣
- 出版年 : 2015年
- ライブラリ−・ニュース掲載号 : 2016 Vol.5
「政治学は,財,権利,名声,安全といった価値あるものの権威的配分を分析対象とする学問である」と定義し,「政治現象の構成要素として独立した個人を一般的に想定し,そこで想定される個人はそれぞれが望む利益を最大化するために行動する」という合理的個人と,個人は他の個人や集団とお互いに影響し合っていることを踏まえ,「ゲーム理論」に基づいた,「戦略的相互作用」の結果(均衡解)を政治現象と捉え,政治制度改革を導くという,政治学の教科書ということが特徴である。
「政治学は,伝統的に学際的な学問であり,社会科学の他分野の問題関心や考え方を柔軟に取り入れてきた」加藤他(2014),という意味において,本書は,「合理的に行動し,意思決定する経済人の実現する経済状態(均衡)を解明する」経済学のアプローチを積柩的に取り入れている。このように本書は,政治学において経済学がどのように用いられているかを知ることができる良書であり,政治学のみならず経済学を専攻する学生にも推薦する一冊である。なお,経済学の特徴は,合理的個人の仮定と均衡論であるので,本書や民主主義を理解するために,機会費用とナッシュ均衡は,経済学の教科書を参考にすると良いと思われる。
(坂井 吉良教授/4F東開架)
「政治学は,伝統的に学際的な学問であり,社会科学の他分野の問題関心や考え方を柔軟に取り入れてきた」加藤他(2014),という意味において,本書は,「合理的に行動し,意思決定する経済人の実現する経済状態(均衡)を解明する」経済学のアプローチを積柩的に取り入れている。このように本書は,政治学において経済学がどのように用いられているかを知ることができる良書であり,政治学のみならず経済学を専攻する学生にも推薦する一冊である。なお,経済学の特徴は,合理的個人の仮定と均衡論であるので,本書や民主主義を理解するために,機会費用とナッシュ均衡は,経済学の教科書を参考にすると良いと思われる。
(坂井 吉良教授/4F東開架)