推薦図書

“The General Theory of Employment Interest and Money “

  • 著者名 : John Maynard Keynes 著
  • 出版社 : Macmillan
  • 出版年 : 1936年
  • ライブラリ−・ニュース掲載号 : 2015 Vol.3
2015年8月,塩野谷祐一氏が亡くなった。氏の父親は九十九氏で,両者ともにJ.M.ケインズの『雇用・利子および貨幣の一般理論』を訳したことで知られている。父の訳が子によって改編され,さらに現在では,間宮陽介氏,山形浩生氏のそれぞれの新訳が公刊されている。法学部図書館は,初版や全集版の原典各種,そして塩野谷親子訳,間宮訳を所蔵している。
この『一般理論』には,Effective Demand 有効需要,Propensity to consume 消費性向,Investment Multiplier 投資乗数など,経済学でおなじみの用語が多数登場する。ケインズの用語を日本語に翻訳した先人たちの苦労は計り知れない。翻訳の原語を確認すると(消費の癖,投資の掛け算),今まで縁遠かった用語が身近に感じられるかもしれない。原典と翻訳を見比べて,ケインズの世界に浸るのも一興であろう。
(川又 祐教授/6F西開架)※翻訳は5 F東開架