推薦図書
『反哲学入門』
- 著者名 : 木田元 著
- 出版社 : 新潮社
- 出版年 : 2007年
- ライブラリ−・ニュース掲載号 : 2020 Vol.6
哲学というと,難しい用語や概念を駆使して,何やら,ややこしい理屈を並べ立てる風変りな学問で,その点にとっつきにくさを感じてしまう,そんな声もよく耳にしますし,それはけっしておかしなことではないのでしょう。もっとも,その本当の理由を探ってみますと,それは,言葉や文体の難しさというよりは,むしろ,その発想の動機がうまく呑みこめないことによるのかもしれません。
本書は,哲学者たちが生きてきた人生や境遇,文化や時代,歴史的な背景にも光を当て,西洋と東洋,古代や中世や近代と,地域や時代を縦横に行き来しながら,哲学のなりたちとその発想の動機についてじつに平明に説き明かしてくれます。
西洋の思想の歴史,とりわけその中核をなす哲学の歴史が歩んできた軌道や道筋について一本の太く大きなレールを指し示し,その全体像と骨格が見事に浮き彫りにされる,その様子を目撃することができるはずです。現代哲学の動向をも俯瞰するその鮮やかな切り口,語り口によって,哲学という学問にともなう難しさやとっつきにくさの秘密に触れさせてくれる,そんなミステリー的な要素も味わえる一冊です。
哲学や思想も含めて,そもそも学問を学ぶことについて不安や迷いなどを感じるようなときには,本書を,その指針や動機を模索するための一つの手かがりにしてみてはいかがでしょうか。
(岡山 敬二准教授/3F東開架)
本書は,哲学者たちが生きてきた人生や境遇,文化や時代,歴史的な背景にも光を当て,西洋と東洋,古代や中世や近代と,地域や時代を縦横に行き来しながら,哲学のなりたちとその発想の動機についてじつに平明に説き明かしてくれます。
西洋の思想の歴史,とりわけその中核をなす哲学の歴史が歩んできた軌道や道筋について一本の太く大きなレールを指し示し,その全体像と骨格が見事に浮き彫りにされる,その様子を目撃することができるはずです。現代哲学の動向をも俯瞰するその鮮やかな切り口,語り口によって,哲学という学問にともなう難しさやとっつきにくさの秘密に触れさせてくれる,そんなミステリー的な要素も味わえる一冊です。
哲学や思想も含めて,そもそも学問を学ぶことについて不安や迷いなどを感じるようなときには,本書を,その指針や動機を模索するための一つの手かがりにしてみてはいかがでしょうか。
(岡山 敬二准教授/3F東開架)