[大意]

未明の山の景色というのは、何とも立派に見えるものだ

杏やスモモの花が一面にとりまいて、園を作っている

うぐいすの鳴き声が、夢見の詩人を起こす

香の煙があたりに広がり、露も良い香りを出しているようだ

[注]

【馝】
良い香り。かんばしい。
【杏紅 李白】
あんずの花・すももの花。
【倉庚】
うぐいす。
【香烟】
良い香りの煙。香の煙。
【香露】
良い香りの水。香水。

[補説]

『山田顯義傳』では、明治15~16年の作となっている。