[大意]

馬車を陸奥、下野の中間に駐め

当時の攻防戦の苦難を想像している

荒城に沈む夕日は、限りなく悲しい

秋風が白河の関を吹き渡る

[注]

【陸野両州間】
「白河の関」は、陸奥(むつ)の国「陸州」(福島県)と下野(しもつけ)の国(栃木県)の国境付近に位置する。
【白河関】
奥州三(おうしゅうさん)古関(こせき)のひとつ。

[補説]

『山田顯義傳』では、明治20年作「過白河」となっている。

明治20年(1887)8月、山田顕義司法大臣は北海道および羽後国巡視のため出発、9月に帰京した(司法省編纂『司法沿革誌』)。