[大意]

押し黙って物思いに耽っていると、ますます感慨深くなる

正座して寂しく、これまでの日々をふり返る

世間の人々がどう評価しようと構わない

清らかな風とあの明月こそ、吾輩の心境を象徴している

[注]

【端座】
正座。
【凄然】
もの悲しいさま。
【徴古今】
「徴」は「照らし合わせてみる」こと。
【清風明月】
『山田顯義傳』では「江風山月」となっている。

[補説]

『山田顯義傳』では、本詩は元治元年(1864)の作となっている。この年、山田顕義は高杉晋作と脱藩して大坂へ行き、さらに桂小五郎(木戸孝允)の命で軍資金を水戸藩藤田小四郎にわたすため江戸へ向かうなど、活発な行動をしていた。