教育研究上の目的と3つのポリシー
教育研究上の目的
本研究科の目的は,法学の理論・知識をふまえた法律実務処理の基礎的能力のみならず,人間に対する深い洞察力,健全な社会常識を備えた法曹の育成にある。倫理観,正義感の涵養を通じて,市民から信頼され,また企業活動のコンプライアンス等に通じた法律実務家を養成するとともに,総合大学の総合力,多様性を活かし,医療・環境・知的財産等の専門分野ヘの道を開くことを目指す。
法務専攻(専門職学位課程)
理論と実務が密接に連携した双方向教育を展開し,法律基本科目の十分な理解,法律実務科目の習得の上に,多様な法的問題に柔軟に対応でき,法化社会の実現に資する専門性の高い法曹を養成する。
3つのポリシー
本研究科は以下の3つのポリシーに基づいた教育を行います。
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- 修了の認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)
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本法務研究科は,「人間尊重」を基本理念に掲げ,将来の法曹としての実務に必要な学識及びその応用能力並びに法律に関する実務の基礎的素養の涵養のみならず,人間に対する深い洞察力,健全な社会常識を備えた法曹の養成を教育目標としています。学位授与に際してもこれらのことを重視し,本法務研究科の定める基本理念及び教育目標に則って設定した所定のカリキュラムを修了することを学位授与の要件としています。
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- 教育課程の編成及び実施に関する方針(カリキュラム・ポリシー)
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本法務研究科は,法曹に必要な学識及び能力を培う理論的かつ実践的な教育を内容とし,事例研究又は双方向若しくは多方向に行われる討論若しくは質疑応答その他の適切な方法による授業を行うこととしています。
まず,高い倫理観,強い正義感に裏付けされた豊かな人間性を有し,健全な社会常識を備えるとともに,深い知識と柔軟な思考によって適切に紛争解決を図ることのできる法曹を養成するために,法律基本科目,法律実務基礎科目,基礎法学・隣接科目及び展開・先端科目を,体系的かつバランス良く履修できるよう構成しています。
また,現代のさまざまな社会的要求に応え得る専門性の高い法曹への道を開くため,総合大学の長所を生かして,多彩な基礎法学・隣接科目及び展開・先端科目を開講しています。
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- 入学者の受入れに関する方針(アドミッション・ポリシー)
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日本法律学校を前身とする日本大学の歴史は,人間尊重の理念に貫かれ,いつの時代においても,社会の中で苦しみ,困っている人に手を差し伸べる弱者保護の姿勢を堅持してきました。それは「豊かな人間性や感受性,幅広い教養と専門的知識,柔軟な思考力」を法曹の資質として求める司法制度改革の趣旨並びに法科大学院の理念に合致するものであります。
選抜にあたっては,
①個と集団への観察力と洞察力を備えているか
②法律学以外の素養にも支えられ,広い視野で思考する力があるか
③相手を論理的に説得する能力を持っているか
等の観点が重視されます。
専門的知識への相当の精通,あるいは知識を吸収していく上での理解力はもとより,他者の立場に立って物事を判断する柔軟性,とりわけ,将来の法曹を担うにふさわしい人間性と高潔な使命感が吟味されます。