カリキュラム
日本大学大学院法務研究科における
教育到達目標の基本的考え方
日本大学法科大学院は,法律実務処理の基礎的能力のみならず,人間に対する深い洞察力,健全な社会常識を備えた法曹の養成という教育目標の実現を図る観点から,修了生の教育到達目標についての基本的考え方を次のように定める。
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- 共通的な到達目標モデル(第二次案修正案)との関係
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平成22年9月に公表された共通的な到達目標モデル(第二次案修正案)(以下「共通的な到達目標」という。)は,「法科大学院において修得すべき学習内容・水準に関する共通のミニマム・スタンダードであり,すべての法科大学院修了生が,共通に修得すべき学習内容・水準を示す」ものとされ,10領域について具体的なモデル案が示されている。
その趣旨を踏まえて本法科大学院においては,原則としてこれらモデル案で示された内容を本法科大学院の教育到達目標とすることとし,授業において取り上げるものと自学自習にゆだね必要に応じて学習の指導を行うものとに分類する。
今後においては,本法科大学院の教育の理念・目標を踏まえた教育の実践を通じて,必要に応じて共通的な到達目標の内容を取捨選択し,あるいは新たな内容を追加することについて検討を進める。
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- 領域別の教育到達目標の策定
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この基本的考え方及び共通的な到達目標を踏まえて,10の領域ごとに本法科大学院の具体的な教育到達目標を策定する。その際,領域に属する科目間の分担関係に留意する。
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- 科目ごとの教育到達目標の設定
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領域ごとの教育到達目標に基づき,領域に属する各科目の教育到達目標を策定し,シラバスに明示する。
また,10領域に含まれない科目についても,本法科大学院の教育の理念・目標を実現するために必要な教育到達目標を検討し,シラバスに明示するものとする。
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- 教育到達目標の達成状況の評価
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教育到達目標の達成状況については,当面,期末試験等による各科目の成績評価において評価し,その結果の概要については,成績評価基準,教員の授業評価アンケートに記述することとする。
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- 継続的な検証,改訂の実施
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基本的な考え方及びこれに基づいて策定される教育到達目標の内容及び達成状況の評価方法については,引き続き適正性,有効性を検証し,必要に応じて改訂を行うこととする。
カリキュラム一覧
科目区分 | 授業科目・単位数・配当年次 | 修了要件 単位数 |
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未修1年次 | 未修2年次 既修2年次 |
未修3年次 既修3年次 |
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法律基本科目 | 公法系 | ◎憲法基礎演習 | 1(N) | ◎行政法 | 2 | 公法系演習Ⅰ | 2 | 15 ※注1 |
◎憲法Ⅰ | 2(N) | ◎憲法総合 | 2 | 公法系演習Ⅱ | 2 | |||
◎憲法Ⅱ | 2(N) | ◎行政法総合 | 2 | 公法系演習Ⅲ | 2 | |||
民事系 | ◎民法基礎演習 | 2(N) | ◎民法総合Ⅰ | 2 | 32 ※注2 |
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◎民法Ⅰ | 2(N) | ◎民法総合Ⅱ | 2 | 民事法系演習Ⅱ | 2 | |||
◎民法Ⅱ | 2(N) | ◎商法総合 | 2 | 民事法系演習Ⅲ | 2 | |||
◎民法Ⅲ | 2(N) | ◎民事訴訟法総合 | 2 | 民事法系演習Ⅳ | 2 | |||
◎民法Ⅳ | 2(N) | 民事法系演習Ⅰ | 2 | 民事法系演習Ⅴ | 2 | |||
◎民法Ⅴ | 2(N) | 民事法系演習Ⅵ | 2 | |||||
◎会社法 | 2(N) | 民事法系演習Ⅶ | 2 | |||||
◎民事訴訟法 | 2(N) | |||||||
刑事系 | ◎刑法基礎演習 | 1(N) | ◎刑法総合 | 2 | 刑事法系演習Ⅰ | 2 | 15 ※注3 |
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◎刑法Ⅰ | 2(N) | ◎刑事訴訟法総合 | 2 | 刑事法系演習Ⅱ | 2 | |||
◎刑法Ⅱ | 2(N) | 刑事法系演習Ⅲ | 2 | |||||
◎刑事訴訟法 | 2(N) | |||||||
法律実務基本科目 | ◎法曹倫理 | 2 | ◎刑事事実認定論 | 2 | 12 ※注4 (12〜18) ※注7 |
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◎要件事実と事実認定の基礎 | 2 | 法文書作成 | 2 | |||||
◎民事訴訟実務の基礎 | 2 | クリニック・ローヤリング | 2 | |||||
◎刑事訴訟実務の基礎 | 2 | |||||||
法情報調査 | 2 | |||||||
エクスターンシップ | 2 | |||||||
企業法務 | 2 | |||||||
科目区分 | 授業科目・単位数・配当年次 | 修了要件 単位数 |
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未修1・2・3年次,既修2・3年次 | ||||||||
基礎法学・隣接科目 | 基礎法学科目 | 法哲学 | 2 | 4 ※注5 (4〜10) ※注7 |
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法制史 | 2 | |||||||
英米法 | 2 | |||||||
独法 | 2 | |||||||
隣接科目 | 立法学 | 2 | ||||||
政治学 | 2 | |||||||
会計学 | 2 | |||||||
展開・先端科目 | 労働法Ⅰ | 2 | 租税法 | 2 | 法医学 | 2 | 12 ※注6 (12〜18) ※注7 |
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労働法Ⅱ | 2 | 租税法演習 | 2 | 医療と法 | 2 | |||
労働法演習 | 2 | 民事執行法・民事保全法 | 2 | 医療紛争論 | 2 | |||
経済法 | 2 | 倒産法Ⅰ | 2 | 地方自治法 | 2 | |||
経済法演習 | 2 | 倒産法Ⅱ | 2 | 情報法 | 2 | |||
国際公法 | 2 | 倒産法演習 | 2 | 経済刑法 | 2 | |||
国際私法Ⅰ | 2 | 事業再生法 | 2 | 外書講読 | 2 | |||
国際私法Ⅱ | 2 | 事業再生法演習 | 2 | |||||
国際私法演習 | 2 | 消費者法 | 2 | |||||
国際取引法 | 2 | 保険法 | 2 | |||||
知的財産法Ⅰ | 2 | 金融商品取引法 | 2 | |||||
知的財産法Ⅱ | 2 | 環境法 | 2 | |||||
知的財産法演習 | 2 | 環境法演習 | 2 | |||||
合計 | 96 |
- (令和5年度度入学者カリキュラム)
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カリキュラム改正を実施しない場合,令和6年度入学者も同カリキュラムを適用します。
カリキュラム改正を実施する場合は,本研究科ホームページでお知らせします。
数字は単位数です。
◎: | 必修科目 |
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N: | 認定対象科目(既修2年次対象) |
(N): | 会社法・民事訴訟法・刑事訴訟法については,入学前後に単位認定試験を実施します(既修2年次対象)。 |
- 法律基本科目公法系科目では,必修科目11単位のほか4単位以上を修得しなければなりません。
- 法律基本科目民事系科目では,必修科目24単位のほか8単位以上(民事法系演習Ⅰ~Ⅲから4単位,民事法系演習Ⅳ・Ⅴから2単位,民事法系演習Ⅵ・Ⅶから2単位)を修得しなければなりません。
- 法律基本科目刑事系科目では,必修科目11単位のほか4単位以上を修得しなければなりません。
- 法律実務基礎科目の区分では,必修科目10単位のほか2単位以上を修得しなければなりません。
- 基礎法学・隣接科目の区分では4単位以上を修得しなければなりません。
- 展開・先端科目の区分では,労働法Ⅰ,労働法Ⅱ,労働法演習,経済法,経済法演習,国際公法,国際私法Ⅰ,国際私法Ⅱ,国際私法演習,知的財産法Ⅰ,知的財産法Ⅱ,知的財産法演習,租税法,租税法演習,倒産法Ⅰ,倒産法Ⅱ,倒産法演習,環境法,環境法演習のうちから2科目4単位以上を含め,12単位以上を修得しなければなりません。
- 法律実務基礎科目(修得すべき単位数12単位を除く),基礎法学・隣接科目(修得すべき単位数4単位を除く)及び展開・先端科目(修得すべき単位数12単位を除く)のうちから6単位以上を修得しなければなりません。