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TEL:03-6261-3200日本大学法学部大学院事務課

法務研究科紹介

研究科長挨拶

実務家に必要な事案分析力、論理的思考力、社会常識に照らしたバランス感覚を丁寧な双方向授業で培えます。
小田司研究科長
 日本大学は明治22年(1889年)に日本法律学校として開学以来、法曹界に多くの人材を輩出してきました。この130年の長きにわたる伝統と「自主創造」の教育理念のもと、日本大学法科大学院では社会で高い能力を発揮できる法曹養成に取り組んでいます。法曹の能力は、具体的な紛争にあたって、如何に適切な解決策を導き出せるかにほかなりません。その力とは、事案についての法的視点からの分析力と論理的な思考力、そして、事案の解決策が社会規範から乖離せず、社会常識に照らし合わせて整合する、バランス感覚を備えた判断力であると言えます。
 こうした力を具備した法曹人を養成するために、カリキュラムに工夫をこらしています。授業は双方向の参加型学修を重視し、その学修効果を最大限に高められるように少人数の授業にしています。例えば、事例問題を課題とし、予習により得た知識と、解決策を導いた法的思考プロセスの是非を論じるなど、授業では学生に発言を多く求めていきます。つまり、その結論に至る根拠とした条文や判例規範について、学生一人ひとりの思考を確認しながら、具体的な事例の解決から法律を正しく理解できるように導いています。同時に、実務家に欠かせない口頭による表現力と文章による表現力、のいずれも兼ね揃えた法曹人になれるように指導しています。
 実務家としての力を高めるために、法律実務基礎科目を重視しています。例えば、「民事訴訟実務の基礎」では以前の司法修習制度における教育を念頭に置いて、要件事実教育を手厚く学べるようにしています。事案に含まれる事実関係から、請求原因を導くことや反対に抗弁を検討するなど、実務家に欠かせない多面的な思考力を培っています。
 日本大学は、文理にわたる広範な学問領域で研究を進めていますが、この総合大学のスケールメリットを生かし、法分野の中でも専門性が求められる領域を深く学ぶことができます。とりわけ「企業法務」、「医療」、「知的財産」、「環境」及び「労働」の5分野は、いずれも現代社会が法曹にその専門性の発揮を強く求めている分野です。実務に就いたときに、特色を持つ法曹として活躍する基礎を築けます。
 そのほかに、入学前教育、司法試験合格者である助教との相談(アカデミック・アドバイザー制度)、教員のオフィスアワー、最適な自習環境、学生生活・就職委員会による合格後の就職フォローなど、法律の学修に集中できる環境や、工学部などを卒業した完全未修者を合格に導くなど、基礎から応用まで安心して学べる環境も整えています。

教育研究上の目的と3つのポリシー

教育研究上の目的
 本研究科の目的は,法学の理論・知識をふまえた法律実務処理の基礎的能力のみならず,人間に対する深い洞察力,健全な社会常識を備えた法曹の育成にある。倫理観,正義感の涵養を通じて,市民から信頼され,また企業活動のコンプライアンス等に通じた法律実務家を養成するとともに,総合大学の総合力,多様性を活かし,医療・環境・知的財産等の専門分野ヘの道を開くことを目指す。
■法務専攻(専門職学位課程)
 理論と実務が密接に連携した双方向教育を展開し,法律基本科目の十分な理解,法律実務科目の習得の上に,多様な法的問題に柔軟に対応でき,法化社会の実現に資する専門性の高い法曹を養成する。

3つのポリシー
■本研究科は以下の3つのポリシーに基づいた教育を行います。
(1)修了の認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)
 本法務研究科は,「人間尊重」を基本理念に掲げ,将来の法曹としての実務に必要な学識及びその応用能力並びに法律に関する実務の基礎的素養の涵養のみならず,人間に対する深い洞察力,健全な社会常識を備えた法曹の養成を教育目標としています。学位授与に際してもこれらのことを重視し,本法務研究科の定める基本理念及び教育目標に則って設定した所定のカリキュラムを修了することを学位授与の要件としています。
(2)教育課程の編成及び実施に関する方針(カリキュラム・ポリシー)
 本法務研究科は,法曹に必要な学識及び能力を培う理論的かつ実践的な教育を内容とし,事例研究又は双方向若しくは多方向に行われる討論若しくは質疑応答その他の適切な方法による授業を行うこととしています。
 まず,高い倫理観,強い正義感に裏付けされた豊かな人間性を有し,健全な社会常識を備えるとともに,深い知識と柔軟な思考によって適切に紛争解決を図ることのできる法曹を養成するために,法律基本科目,法律実務基礎科目,基礎法学・隣接科目及び展開・先端科目を,体系的かつバランス良く履修できるよう構成しています。
 また,現代のさまざまな社会的要求に応え得る専門性の高い法曹への道を開くため,総合大学の長所を生かして,多彩な基礎法学・隣接科目及び展開・先端科目を開講しています。
(3)入学者の受入れに関する方針(アドミッション・ポリシー)
 日本法律学校を前身とする日本大学の歴史は,人間尊重の理念に貫かれ,いつの時代においても,社会の中で苦しみ,困っている人に手を差し伸べる弱者保護の姿勢を堅持してきました。それは「豊かな人間性や感受性,幅広い教養と専門的知識,柔軟な思考力」を法曹の資質として求める司法制度改革の趣旨並びに法科大学院の理念に合致するものであります。
 選抜にあたっては,①個と集団への観察力と洞察力を備えているか,②法律学以外の素養にも支えられ,広い視野で思考する力があるか,③相手を論理的に説得する能力を持っているか,等の観点が重視されます。専門的知識への相当の精通,あるいは知識を吸収していく上での理解力はもとより,他者の立場に立って物事を判断する柔軟性,とりわけ,将来の法曹を担うにふさわしい人間性と高潔な使命感が吟味されます。 

少人数の「膝詰め」教育で学生を鍛える!

その1 「法律科目の基本」を少人数でしっかり学習
法律の学習では、「基本」が最も大切。問題はその鍛え方です。 日本大学大学院法務研究科では、これを膝詰めで教育します。 法律家としての基礎体力である「法律基本科目」については、専任教員が中心になって1クラス25名程度の少人数教育を実施します。さらに法律演習科目では15名程度で個別的に目の届く教育を膝詰めで展開します。

その2 法律実務の基礎を学ぶ
法律実務の基礎を学べることは法科大学院教育の大きな特色です。 ここでも日本大学大学院法務研究科は膝詰めで教育します。 エクスターンシップやクリニック・ローヤリングなどで「法律の現場」を目の前にして、本学の協力弁護士からじっくり実務の基礎を学ぶことができます。

その3 未修者を徹底的に鍛える
学生の多様性の確保はロースクール制度の大きな柱のひとつですが、それは未修者の法学教育がしっかりとなされることを大前提とします。いま日本中のロースクールがこの課題に取り組んでいますが、日本大学大学院法務研究科もその先陣を切って未修者教育に果敢に挑戦しています。未修者教育で最大の効果を期待できる少人数教育を前提にしつつ、さらに日本大学法学部の協力を得て、未修者の学習をバックアップする体制を構築しています。

その4 ホームロイヤーへの道・ビジネスロイヤーへの道
来るべき法化社会では①ホームロイヤーと②ビジネスロイヤーの分野が巨大なリーガルマーケットに成長することが予想されます。そこで、日本大学大学院法務研究科では、市民や日本経済を支える中小企業にも親しまれる身近なホームロイヤーの育成と、会社法・金融商品取引法・倒産法などの諸法を有機的に使いこなせるプロフェッショナルなビジネスロイヤーの育成をめざします。

その5 修了後も続く学習支援
法科大学院の学生にとって司法試験に挑戦し合格することは当然のことですが、司法試験は修了後に実施されますので修了後のサポートが十分になされているかどうかは、ロースクール選択の大きな要素になります。日本大学大学院法務研究科では、修了後の司法試験学習のための自習室の確保や学習支援を十分配慮しています。