グロティウス / Grotius 書簡01

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書誌情報(OPAC)

本資料は、国際法の父として知られるH. グロティウス(Hugo Grotius. 1583–1645)が、パリにおける駐仏スウェーデン大使時代に執筆したフランス語の自筆署名書簡である。用紙にはフルール・ド・リス(ユリの紋章)のウォーターマークが確認できる。

本書簡は非公式な形式(親書)で綴られており、宛先は明記されていないが、その内容からアムステルダムの外交エージェント、ヨアヒム・ド・ウィックフォール(Joachim de Wicquefort. 1596–1670)宛の返書と推定される。

書簡の内容は、三十年戦争(1618–1648)の軍事・政治情勢が中心となっている。冒頭では、[ウィックフォールから]送られたラテン語の小冊子(livret latin. 詳細は不明)に対する謝辞が述べられ、その内容が「ドイツを覚醒させるのに有用である」と評価している。

グロティウスは、ボヘミア方面へ進軍していたスウェーデン軍のバンネール元帥(Johan Banér. 1596–1641)の所在や兵站状況に強い関心を示している。また、レーゲンスブルクで開催予定の帝国議会を控え、皇帝側が総力戦を避けて権威を維持しようとしている政治的意図を鋭く分析している。その他、カタルーニャの暴動や、オランダ海軍(トロンプ提督、l'Admiral. Maarten Harpertsz. Tromp. 1598–1653)の動向、イギリス王室のオランダに対する反感など、当時の複雑な国際情勢が網羅的に語られている。

末尾の追記(二伸)では、フランス軍によるアラス(Arras)包囲のための大規模な増援部隊について言及されている。歴史的事実として、アラスはこの書簡の約1ヶ月後、1640年8月に降伏し、フランス軍の勝利に終わった。