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TOP推薦図書紹介 推薦図書紹介図書委員からの推薦図書 2016 Vol.4Daly, Peter M. (ed). Andreas Alciatus.『“ 1. The Latin Emblems Indexes and Lists.”“ 2. Emblems in Translation. ”』University of Toronto Press. 1985年アンドレア・アルチャート(英語: Andrea Alciato. ラテン語: Andreas Alciatus. 1492-1550)は,日本史で言えば室町幕府末期から戦国時代の,西洋史で言えばコロンブスが新大陸を発見して宗教改革・対抗宗教改革の時代に生きた人物である。アルチャートはもともと,イタリアの法学者として有名であった。 藤村和夫• 山野嘉朗著『概説交通事故賠償法 (第3版)』日本評論社 2014年みなさんの身近に起こるかもしれない交通事故,交通事故が起こった場合,加害者はどのような民事上の責任を負うことになるのでしょうか。また被害者はどのような形で損害の填補をうけることになるのでしょうか。これを知るためには,民法(不法行為法),自賠法,保険法にまたがる法知識が必要とされます。こうした法律が交錯する領域につき民法学者の藤村教授と保険法学者の山野教授の共同研究により,最新の学説・判例•実務の展開を踏まえ,先の問題に答えるものとなっているのが本書です。交通事故における紛争解決・被害者救済のシステムが,簡にして要を得た形で示されています。第3版では,新たな論点や新保険法の内容を踏まえたものとなっています。最新の判例•学説を新たに盛り込んだため, 少しばかり厚い本となっていますが内容的には非常に分かりやすいものとなっています。 交通事故の法律問題につき学術的であるとともに判例•実務を踏まえた本は,あまり多くなく,本書はそれに応えるものであり,交通事故の法律問題に興味のある人は一読されることを希望します。 小嶋和司著『憲法概説』良書普及会 1987年安全保障法制をめぐる喧噪から一年が過ぎた。憲法学者の「違憲」発言で一気に炎上し,「憲法守れ」と批判された「民意」無視の安倍政権は,参院選で勝利。憲法改正発議に必要な三分の二の議席を確保。次は緊急事態条項の導入による改憲発議か。「立憲主義」破壊の大合唱が聞こえてきそうだ。そんなご時世だからこそ,読んでもらいたい一冊。その一節を紹介しよう。 オルテガ 著・小林 一宏訳『世界史の一解釈』(オルテガ著作集)白水社 1998年オルテガといえば『大衆の反逆』という書名を思い浮かべる方も多いかと思います。ここで紹介するのは,それではなく,アーノルド・トインビーの『歴史の研究』を種にして,オルテガの行った12回の連続講義をまとめたものです。数少ない経験ですけれども,スペイン語を母語とする人は,英語を母語とする人に対して,激しい対抗心をもっているように思います。これもその一例といっていいでしょう。 |